メガビタミン療法とは?
数ある栄養素療法の中でもとくに有名な栄養理論の一つで、
一般的に言われている所要量の10~100倍ものビタミンを摂取する
という非常識な量の栄養摂取を行うのが特徴です。
「ノーベル賞を二度受賞している」ことや、「ビタミンCを大量に摂取すれば風邪が治る」説で有名な、ライナスポーリング博士によって提唱されました。
日本でも栄養素療法を行う病院において実践されることの多いスタンダードな栄養素療法で、とくに慢性的な不具合の改善に役立つことで知られています。
メガビタミン療法では、なぜ大量のビタミン摂取を勧めるのか?
それは「栄養素の活用効率が極端に悪い」人もいれば、「栄養素はチームで働くのにもかかわらず、栄養素同士の相性が悪くてチームとしてうまく機能してくれない」場合もあるからです。
だからありあまる程のビタミンを入れておけば、活用効率の悪い人でもビタミン不足に陥いりにくくなりますし、たくさんの栄養素があれば、それだけ相性の良い栄養素が見つかりやすくなり、チームとして機能してくれる確率が上がるからです。
また栄養素の使われ方には「人それぞれの優先順位」というものがあります。
イメージとしては「水と田んぼの関係」のようなもので、水が豊富にあれば末端の田んぼまで水が行きわたりますが、水が少なければ上流の田んぼにしか水は供給されず、末端の田んぼは干からびてしまいます。
人と栄養の関係も同様で、優先順位の高いところ(上流)から栄養が使われていくため、十分な栄養を確保できていない場合は優先順位の低いところ(下流)に栄養は回ってきません。
つまり
慢性的に現れる病気や不具合というのは、「栄養不足と優先順位の関係の結果」という見方ができるわけで、栄養素が行きわたらない部位や機能から順番に不具合が起き始めている可能性が高い
ということです。
これを改善するためには最下流(優先順位の低い末端)にまで十分な栄養素が行きわたるよう、とにかく大量の栄養を摂取するというのが最も効果的で理にかなった方法になることから、メガビタミン療法ではビタミンの大量摂取を推奨しています。
だから慢性的な不具合の改善にメガビタミンが役立つ
と考えられているわけです。
このあたりのことは、以前書いた
●確率的親和力
人によって必要な栄養摂取量が10~100倍違う
●カスケード理論
修復の順番(栄養素が使われる順番)が人それぞれ違う
●パーフェクトコーディング理論
栄養素にも相性がある
の三つの記事を読み返していただければよりご理解いただけるはずです。
メガビタミンを理解する上での必須の理論にもなりますので、ぜひご確認ください。
メガビタミンを実践するとどうなる?
他人の体験談は薬事法にひっかかりますので、僕個人と嫁さんの体験だけ簡潔にお伝えしておきますが、
【日常行っているビタミンの摂取量】
●ビタミンB群6~30倍
●ビタミンC10倍
●そのほかの脂溶性ビタミンについては一般的な所要量
(注1)B群とCに関しては、自身の感覚と自己責任において「適量」を判断しています。
【メガビタミンによって得られたと思われる効果】
・慢性疲労の軽減
・蓄膿症の改善
・風邪をひかなくなる
・体全身を埋め尽くす湿疹の改善
・集中力向上
・メンタルの安定化
・体力向上
・足裏の肌質改善
・爪がきれいになる
などがありました。
これらの効果を実感するには半年~5年くらいかかりましたが、こうして振り返りを行うと「知らないところで着実に状態が上向いていた」ことに改めて気付かされます。
「継続」と「振り返り」を行うことは大切ですね。
メガビタミンの注意点について
メガビタミンは誰にでも推奨するものではありません。
健康な人であれば常識的な摂取量で十分満たされる可能性があるので、基本的には慢性的な不具合を抱えている人が対象になると考えています。
また日常的に大量、もしくはきつい薬を服用している人もお勧めしません。
そういう方はたとえ栄養素であっても大量に摂取するとかなり強烈な副作用的な反応を起こす可能性が高いからです。
過去何人か(ほんの数人ですが・・・・・)そういう方を見たことがあるので、とにかく薬を使いまくっている人には大量の栄養補給はお勧めできません(常識的な量なら大丈夫だと思います)。
それから大量に摂取するビタミンですが、基本的にはビタミンB群とビタミンCだけにとどめておく方が良いと思います。
なぜならこの2つは水溶性のビタミンなので「過剰摂取の心配がない(注2)」とされているからです。
本当はビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミンも多めに摂った方が良いのは間違いないのですが、脂溶性ビタミンは摂り過ぎると過剰症になる危険性が指摘されています。
またある程度知識を身に付けていないと過剰症にならないよう摂取する方法が分らないことから、脂溶性のビタミンに関しては栄養学をある一定理解したうえで、一般的に言われている所要量から徐々に増やして様子を見ていくことをお勧めしています。
栄養素だからといって必ずしも安全ということはないんです。
(注2)下痢や胃がむかむかする程度のことはあるかもしれません。