大気中の酸素濃度が下がると、私たちの体にどのような影響が表れるのか?
前編では、
「大気中の酸素濃度が17%以下になると火が付かなくなり、あらゆる日常生活に支障が出来て人間は地球に住めなくなる」
という内容について説明しました。
では、人間の体の中ではどのような変化が起こるようになるのでしょうか?
体内でのATP産生が出来なくなり、「体温を維持すること」も「あらゆる生命活動を行うこと」も出来なくなる
ここで重要なことは、
「人間も細胞の中にエネルギーを生み出す発電所のような機関があり、そこでは糖や脂質を燃やしてエネルギーを生み出している」
ということです。
人間の体にはおよそ36兆個の細胞があると言われていますが、その一つ一つの細胞の中にはミトコンドリアと呼ばれる機関があり、ここで糖や脂質などを燃やすことによって活動エネルギーを生み出し、更には体温も生み出しています。
このエネルギーのことをATP(アデノシン3リン酸)と言い、全ての生命活動はこのATPが生み出されることによって成り立っています。
このATPをしっかり作れている人は
- やる気に満ち溢れ
- 活動的で
- 体温も高く
- 健康的
という風に考えられています。
しかし
糖や脂質を燃やすためには当然酸素が必要
なわけです。
その酸素濃度が低い、あるいは17%を切ってしまうようなことがあれば、もしかしたら体内でも「燃焼」を起こすことができず、ATPが作れなくなってしまう可能性があります。
ATPが作れないと前述のように生命活動が維持できませんし体温も維持できません。
それはイコール死に直結しているということでもあり、大気中の酸素濃度は私たち人間にとって命に関わる重要な要素の一つなのだということが言えると思います。
「酸素が当たり前にある世界」というのは「貴重なこと」なのかもしれません
そうしたことを踏まえて考えていくと、年々減り続けているかもしれない大気中の酸素や、その問題を引き起こしているかもしれない自然破壊は、今後数年から数十年の内にさらに深刻な問題として提起されていくのかもしれませんね。