これまでのブログで
厚労省が毎年行っている国民栄養調査では、日本人は概ねどの種類の栄養(ビタミン・ミネラル・タンパク質など)も推奨量に対して60%~80%程度しか摂取できていない
という結果が出ていることをグラフなどを交えて紹介してきましたが、それとは別にハウス食品が独自に行った栄養調査でもかなり衝撃的な結果が出ていることが報告されています。
それが表題にも書いた
日本人の子供の83%に新型栄養失調のリスクがある
というものです。
新型栄養失調というのはエネルギー(糖質・脂質)は足りているのに、ビタミン・ミネラル・タンパク質などの体の修復や調整に必要な栄養素が足りていない状態の事を言います。
これらの栄養素は、加熱したり精製されることで失われていくほか、そもそも食材の栄養価が下がっていることも相まって、外食やレトルト食品などが増えている今の環境の中では不足しない方が不思議なくらい必要量を摂取するのが難しい栄養素となってきています。
この新型栄養失調は当然のことながら子供の発育に悪影響を及ぼす可能性が高く、とくに
- 体力(体の強さ)
- 精神的ストレス耐性(落ち着き)
- アレルギー
- 糖尿病を始めとする成人病
に表れると考えられています。
そして現代の子供たちを見るとまさにこれらの問題を抱えている子が多く見られることから、厚労省が行っている国民栄養調査やハウス食品の栄養調査結果は概ね事実に即したものである可能性が高く、現代人がどれほど栄養不足に陥っているかがはっきり表されたものとなっています。
ただ残念ながら栄養失調は自覚することが非常に困難で、基本的に自らの感覚で不足に気付くことは出来ません。
そのためデータ上は殆どの人が栄養不足であるにも関わらず、それを問題と捉えること出来る人が中々いないのですが、ですが例えば健康サイトなどを確認してみても
最近一年以内に体の「不調」や「体調不良」を感じたことはありますか?
という問いに対し、85%の人が「ある」と答えていますから、こうした数字を照らし合わせつつ、栄養と不調の関係性を理屈で理解していけば、自らはもちろんその他の多くの人が栄養不足に陥っている可能性が高いことがイメージ出来るようになるはずで、食事情が悪化している現代社会の中において栄養摂取率と疾患の関係性は、未病の予防や不調の改善を図る上では絶対欠かせない知識になってくると思います。
その上でもう一度改めて考えて頂ければわかると思いますが、
日本人の子供の83%に新型栄養失調のリスクがある
という一つの調査結果がハッキリ出ています。
いかに現代日本人が栄養失調に陥っているかよく分かるのではないでしょうか。
相当に深刻な問題であることは間違いありません。