前回記事でいろいろと説明してみた溶血性貧血。
鉄欠乏性や悪性の貧血は日本人にも聞き馴染みがあると思いますが、溶血性貧血について知っている人はほぼ皆無と言えるくらい少ないと思います。
溶血性貧血を抱えている人は非常に多いはずなのに、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
これは
学校や職場で受けることになる健康診断の際に行わる血液検査では分からない
というのが主な原因と思われるのですが、もう少し具体的に言うと、一般的な血液検査で調べられているのは、
体内で作られている赤血球の数が「多すぎてないか」「少なすぎていないか」
になります。
また、大きすぎる奇形の赤血球(悪性貧血の目安)の数などについても調べることは出来るのですが、
作ったはいいけどすぐに壊れてしまった赤血球の数を調べることができません。
ちゃんと使命と寿命を全うできた赤血球なのか、非常に短命で何ら役割を果たせず壊れてしまった赤血球なのかは病院の血液検査では分からないんです。
だから病院で
「あなたは溶血性貧血ですね」
なんて言われることもなく、そのため一般に知られることはない種類の貧血になってしまっているというわけです。
しかし、いくら作られている赤血球の数が正常範囲で、尚且つ巨大で奇形の赤血球の数も少なく、血中に貯蔵されている鉄の量も正常範囲であっても、作られた赤血球がすぐに壊れてしまうと体には当然貧血の症状が出てしまいます。
健康診断の結果では、血液の数値に何ら異常がなかったのに
●慢性的な眠気
●慢性疲労
●低血圧
●冷え性
●低体温
●メンタル低下
●脳機能低下
といった貧血の症状に常に悩まされている人が多いのは、この溶血性貧血の人が非常に多いからという一面が多分にあり、本当に現代日本人にとっての大きな問題になっていると個人的には考えています。
前回記事でも書きましたが、ちょっと特殊な検査を行えば、素人が見てもいかに溶血性貧血の人が多いか一目で分かりますから、同様の経験をした人であれば僕が懸念しているこの問題の捉え方が決して大げさなものではないことが分かると思います。
ところで前回記事には書かなかったのですが、この溶血性貧血の人が非常に多い理由として「現代日本人の腸内環境が悪化している」ことが特に大きな問題として挙げられます。
というのも
腸内の善玉菌が作っていると言われているいくつかの栄養素のうち、ビタミンB6やB12といった栄養素は正常な赤血球を作るためには絶対欠かせない必須の栄養素
だからです。
この産生量が落ちてしまうと当然のことながらビタミン不足の不良品の赤血球が作られてしまいますから、そうした赤血球はすぐに壊れてしまっても不思議ではありません。
しかし現代日本人の腸内環境は、食品添加物や質の悪い油などの大量摂取によって非常に悪化しているため、腸内の善玉菌が激減。
結果極度のビタミン不足に陥っていることが容易に考えられます。
単にビタミン群が不足するだけも疲労感が出たりメンタル面に大きく影響が出るわけですから、それに加えて溶血性貧血まで抱えていたら、現代日本人の多くが
体がしんどくてたまらない
というのも当然の話で、これは本当に国を挙げて対応するくらいの事が必要な事案だと個人的には考えています。
常に体がしんどいっていうのは本当に辛いですから。
とはいえ国がこうしたことで動くはずはありませんし、薬の処方や治療の施しようがないこうした問題に対しては利益の生みようがないため、厚労省や医師会などが動くこともあり得ないと思います。
だからこそ知識の数を増やして自己管理をきっちり行っていくことが大切で、こうしたお話を書いているのもその後押しになることを願ってのことになります。
溶血性貧血は、前回記事で書いたお勧めの栄養摂取に加え、腸内環境の改善に取り組めば、割と結果が出やすい類の不具合だと思います。
それほど労力を必要ともしませんので、
●慢性疲労
●冷え性
などでお困りの方は先に述べた二点の改善法を2週間でいいからぜひやってみていただきたいと思います。
それだけも結構違いが出たりするものですよ。