販売する人の話しが如何にいい加減なものかが分る化粧品業界の裏話

商品名は言えませんが、むかし「リフトアップ」で大流行りした製品があります。

透明のジェルタイプで、塗ると直後に「ぐっ」と顔が引き締まり、たるみが解消されるので、それに喜んだり驚いたりされた女性陣がこぞって商品を買っていた姿を何度か見かけたことがあります。





結構有名な製品でしたから、この説明だけでも「あの製品かな」となんとなく分かる方もおられると思います。

〇ン〇色の容器のあれです笑笑





この製品。

なぜ劇的なリフトアップを可能にしているのか、その説明を何度か聞いた(無理やり聞かされた)ことがあるのですが

「肌にはバリアゾーンと言って、外から体内に異物が侵入しないように、守ってくれている境界があります」

「そしてそのバリアゾーンがある限り、いくら美肌成分を塗ったとしても、肌の表層部分しか美肌成分が浸透せず、肌の奥深い部分の改善ができません」

「一般的な美容液やリフトアップ製品が、謳い文句ほど効果を得られないのはこのバリアゾーンのせいなんです」

「ですがうちの製品は違います」

「何がというと、じつはバリアゾーンを振動させる成分が入ってまして、そのバリアゾーンを振動させることによって瞬間的に隙間を作りだし、その隙間から美肌成分を肌のより奥深いところまで送り込むことが可能になっているんです」

「そのお陰で従来の美容液やリフトアップ製品よりはるかに大きな効果を得られるようになってるんです」

「だから全然違うでしょう」

というものでした。



なるほど。

先に製品を使用させて劇的なリフトアップを体感させていれば、この製品説明の内容も納得かつ信頼性の高いものとして受け止められそうですね。






ところがです。






ひょんなことからこの製品を製造しているメーカーの営業担当の人に、

「あの製品ってほんとに美肌成分がバリアゾーンを通過して、リフトアップを可能にしているんですか?」

と聞いた方がおらたのですが、その営業さんから返ってきた返答は

「えっ。そんなバリアゾーンを振動させるとか通過させるような成分や特許なんて使ってませんよ」

「そんなわけないじゃないですか」

「だってほんとにバリアゾーンを通過するような製品だったら、何か肌トラブルが起きた時、全て販売メーカーの責任になりますからね」

「そんな危ないもの入れるわけがないし、そもそもそんな成分も特許も聞いたことがありません」

「大体あの製品に入ってるのは、言ってみれば糊なんです」

「糊で表情を固めるから、だからリフトアップになるんですよ」

「そりゃ美肌成分ももちろんいくらか入ってますが、劇的なリフトアップを体感できてるのはその糊剤のお陰じゃないですか」

というとんでもない裏話だったそうです。

ほんと酷い話ですね。




販売メーカーが作った話なのか、それとも販売代理店の方々が勝手に作った話なのか、真相についてまでは定かではありませんが、売るためだったら嘘でも平気でついてしまう人もいるという事なのでしょうか。

だけど、じつはこの話に限らず、「ナノ化粧品」も同じようなもので、以前はよく耳にした言葉だと思いますが、最近は全く聞きませんよね。




これも

「ナノだから肌の奥まで浸透する」という説明が、「何か肌トラブルがあった時にメーカーとして責任を取り切れない」

という事で、各社ナノを謳った宣伝を行わなくなったと言われています。



つまり「ナノだから効果が高い」とも言えないし、安全性についても「別に保証されたものではない」という事なんですね。

流行りの商品・新素材の商品の大半は、実態を知ってしまえばこんなものなんですよ。要注意!!



「消費者の見抜く力」を高める事ができれば、うわべの情報に流される人が少なくなり、それが健康業界全体を健全化させ、より良い情報・より良い製品の普及へと繋がっていくと思います。
その為にも、一般消費者からはなかなか見えにくい健康業界の裏側の部分について、業界内部におられる方から聞いた話や、私個人の推測などを交えてご紹介し、賢い消費者作りに貢献していきたいと思います。