「この商品」
「出始めはすごく品質が良かったのに、いつの間にか品質が落ちてるよね」
なんてこと、結構あったりしませんか?
健康業界では、化粧品・バスアイテム・サプリメントなどでこうした話を聞くことがよくあります。
以前は他のメーカーの物を使っていたのに、僕が扱う製品に切り替えてくださるような方からも、その切り替えの理由としてこのようなお話を頂くことが珍しくありません。
でもこういう時って、不思議に思ったりしないでしょうか?
なぜ気付かない内に品質を下げるようなことが行われているのか?
そんなことしたら会社や製品の信用が落ちてユーザーさんが離れる可能性があるのは明らかなのに。
●単に儲けを増やしたいから?
●あるいは最初はすごく良い製品でお客さんを増やしておいて、一定の顧客数になったら品質を下げるつもりだった?
等々。
悪く考えようと思えば他にもいくらでも疑問が出てくると思うのですが、本当のところはどうなのか?
じつは品質が低下してしまうのは、
「やむを得ない事情」
がどの会社にもあるんです。
特に大きな理由は二つあるのですが、一つは大半の人が想像されているであろう
原材料の値段は年々上がり続けている
という問題。
そもそも物価というのは基本的には時間の経過とともに上がり続けるもの
だそうで、実際ここ30年ほどの間、
日本に於いて値段が上がっていないのは広告費と卵くらい
しかないそうです。
ただ原材料代が上がったからと言ってそれに合わせて製品の値上げを行ってしまうと、
「それだったらより安い他社の製品に切り替えよう」
と、日本のユーザーさんは他社製品に乗り替えしてしまうという傾向が見られます。
でもそれでは会社もやっていけなくなりますから、
値段を上げれないならどこかで削らないといけない
という事でいろいろ企業努力が行われるわけです。
僕が取り扱いしている会社の取り組みで言うと、例えば
●瓶を透明の物から、より安く購入できる色付きの物に替えた
とか
●梱包用段ボールを薄くした
とか
●商品発送業務を外注委託から自社発送に切り替えた
とかとか。
他にもここでは言えないような涙ぐましい身を削るような努力を各企業さんは行われていました。
こういう話しってなかなか表には出ないけど、ほんとみんなさん頑張ってるんです。
とは言えそういう努力だけで品質を維持しつつ、販売価格も維持し続けるなんてことは不可能になっていくことも残念ながら近年はよく起きることで、だからそうなると企業は何かしらの変更をかけていかざるを得なくなります。
ではそうした事態になった時、どのような対応を企業が行っていくかというと、
●利益なし・もしくは赤字確定と分かっていても品質も価格も維持する(潰れる会社もたくさんあるので、とても残念で心苦しい話ですが・・・・・・)
●販売数減を覚悟してでも価格を上げて品質を維持する(僕が取り扱いしている製品の会社はいずれもこの考え方をされています)
といった品質維持を優先した選択をされることがある一方、
消費者ではまず確認することができない
●原材料を○○産に切り替える
とか、
●有効成分の配合量を減らして、代わりに増量剤を入れてごまかす
とか、
●製造メーカーや製造法を変更して、製造コストを下げる
などといった方法をこっそり行うことにより、販売価格を維持しようとしてる企業も当然あるわけです。
そしておそらく大半がこの方法を選択されていると考えられます。
なぜならこうした方法は別に違法なことではないし、なにより①②を選択することに比べればいろんな面においてはるかに楽に済ませられますからね。
くわえて企業側としても「やむを得ない事情」という大義名分もあるので、この方法で価格維持を行ってきた企業は相当数あるのだろうと推測されます。
でないと説明のつかないことも多いし・・・・・・。
ただこうしたやり方を選択してしまうと、とうぜん製品の品質は下がるでしょうし、また使い心地だって以前の同様の製品とは違ってくるのも当たり前です。
だから冒頭にも書いたように、洗剤・化粧品・サプリメントを販売していると
「以前使ってたメーカーの製品の質が年々落ちていってるので、それで他に良いものをと思って今回あなたの製品に切り替えることにしたのよ」
と言っていただくことなんかも多くなってくるんです。
当然と言えば当然だったという事ですね。
まあでもほんとに難しいところです。
●価格を上げれば消費者が乗り替えしてしまうし、
●品質を維持しつつ価格も維持すれば会社が潰れてしまう。
●消費者に分からない部分をこっそり削っていくと、いずれ使い心地等で品質劣化がばれてしまう。
などなど、どれを選択してもそれぞれにリスクがありますからね。
企業を存続させるためには考えなきゃいけない事が多いですね。
誰にとっても最善・最良の方法
というのはなかなか無いものです。
ただ個人的には「販売価格は変わってないけど知らない内に品質が落ちていた」というのは、社会的・道徳的に非常に良くない事だと思うので、物価が上がるようなことになるとそれはそれで辛いけど、
この③の選択を行われる企業が今後はなるべく減っていくことには期待したいところでもあります。
でないと
品質の低い製品ばかりで溢れかえる日本
になっていく可能性だって出てきますからね。
消費者が損をする社会構造にならないようにしていきたい
ものです。
今回は長文になるため二回に分けて書くことにしました。
後編は本題の「品質低下が起こる超意外な理由」についてご紹介していきます。