昨日公開したブログ「化粧品は原価率がめちゃくちゃ安い」と思われる理由と、賢い化粧品の買い方についての中で、化粧品の原価率を下げている要因の一つに金型があることを指摘しています。
そこには「金型代がいくらかかるのか?」とか、「金型のメンテナンス代や故障・修理の事など」もある程度具体的に書いているのですが、なぜそのようなことが書けたかというと、24~26歳くらいのおよそ3年間、プレス屋で働いていたからです。
プレス屋では金型を使いますからね。
だからある程度の実情が分るんです。
ちなみに僕がやっていたのは、半導体を運ぶ際に使用される「キャリヤテープ」を作る仕事でした。
キャリヤテープというのは、「幅8ミリくらい」「厚み2ミリくらい」「長さ1.5キロメートルくらい(もっあったかも)」の紙のテープに、半導体がすっぽり収まる穴が等間隔で無数に開いたものの事を言います。
その穴に半導体を入れて輸送されていきます。
だからキャリヤテープと名付けられていました。
僕はそのテープに半導体と同じ大きさの穴をあける仕事をやってたというわけです。
だから金型が壊れたり、定期的にメンテナンスに出すというようなことも実際に経験してますし、また新型の金型が入ってくると「この金型は一台で○○〇万円するらしい」なんて話もきいてました。
そういう実経験があったので、金型を使用して作られている化粧品の容器の製造コストについてもある程度推測ができたんです。
プレスや金型ってほんとにほんとにコストがかかりますからね。
「じつは化粧品で一番コストがかかっているのは原材料ではなくて容器なんです」
みたいなことをどこかで聞かれた方もおられると思いますが、
残念ながら多分それは本当のことです。
さてまったくの余談ですが、僕が勤めていたそのプレス会社。
新宮にあったのですが仕事が減少してずいぶん昔に工場が閉鎖になりました。
本社は大阪で、静岡にも工場がありましたが、とにかく経営陣が全くいけてませんでした。
何せぼくみたいな気弱で温厚な人間でさえ、あまりの無能ぶりに部長クラスに対して面と向かってボロカスに文句を言ってたくらいですから(笑)
いやいやほんとに酷い会社でした。
そんなわけだから、もしかしたら今はもう会社そのものもなくなっているかもしれません。
仮に生き残っていたとしても今は半導体不足が深刻です。
車の納期でも下手すりゃ1年待たなきゃいけないなんて言われてるくらいの枯渇ぶりですから、半導体のキャリヤテープなんてそのあおりを食らって注文も来ないだろうし、経営は厳しいでしょうね。
どうなっていることやら。