ミネラルが不足すると脳の神経伝達機能が大きく低下します

近年、脳機能にかかわる問題が劇的に増えてないでしょうか。

子供を見ると明らかに発達障害児が増えましたし、大人を見ても「やる気が出ない」「集中力が維持できない」「きれやすい」「うつ傾向である」といった人が増えました。




こうした脳が健全に機能せず、精神的あるいは脳機能的に不具合をきたす原因というのはやはり複数考えられますから、どれか一つだけを抜粋して「これがその原因です」などということは出来ないのですが、とはいえ大きな割合を占めている原因というのはあると思います。




個人的には「農薬や添加物などのいわゆる毒性物質の蓄積と、栄養不足のこの2つが原因の大半を占めていると考えているのですが、今回は後者の栄養不足について。

中でも一般的にはほぼ知られてないであろうミネラルと脳神経機能との関係性について紹介しようと思います。



非常に簡単な理屈になりますから、軽く目を通して頭の片隅に記憶しておいてください。

ですがまずミネラルの話をする前に、ビタミンB群と脳機能との関係性にも少しだけ触れておきます。






ビタミンB群もじつは脳を適正に働かせるためには大変重要な栄養素です。

というのも脳や体を動かすためのエネルギーであるATP(アデノシンサンリンサン)を生み出す際に必要な栄養素であるため、不足すると

●脳や体はエネルギー不足に陥り、

眠気やだるさを感じるようになりますし、

更にそれが進んでいくと精神面にも影響をきたすようになり、

やる気や集中力の減衰はもちろん、

本当に酷い場合はうつ症状などを引き起こす

ところまで行くと考えられています。




だから不足しないよう常に必要量を満たしておくことが重要になるのですが、

ビタミンB群は水に溶ける水溶性の栄養素で、すぐ吸収されるけどすぐ無くなる栄養素であり、また大量に摂取したからと言って体内に蓄積することができず、余剰分は尿や汗で排泄されてしまう

という特徴を持った栄養素になります。

つまり食溜めができないので、こまめ且つ適度な摂取が必要とされます。



しかしこまめに食事で補っていくというのは、忙しすぎる現代日本人には難しい面もありますよね。

食事を抜くことだって珍しくない人は多いでしょうから。


その上ビタミンB群は過熱すると壊れてしまうという特徴も持ち合わせているため、食べ物から適正に摂取するためには出来る限り非加熱の食事を増やすことが望ましいのですが、現代日本人の食事の内容というと「食べた物のおよそ9割が過熱食ではないですか」と言えるくらいの偏りが見られるため、大半の人は食事からのB群摂取量が不足していることは明らかです。



加えてビタミンB群は腸内環境が整っていれば善玉菌がいくらか作り出してくれることが確認されており、それによってこまめな摂取をしなくても、あるいはちょっとくらい食事から摂取できなくても帳尻合わせができていましたが、現代日本人の腸内環境は非常に劣悪で、慢性的な便秘や下痢に悩まされている人がじつに2人に1人以上もの割合になっていると言われいて、大半の方がそうした埋め合わせをすることも出来なくなっていることが考えられます。



だからB群不足によって

●体がだるい

●疲れが取れない

●やる気が出ない

●集中力が維持できない

●体温が低い

●うつ傾向にある

といった人が増えているのだろうと予想されているわけですが、

分子栄養学などではこれをビタミンB群欠乏症と名付けていて、栄養学に詳しい人の間では「B欠」という通称で語られることが多くなっています。

B欠の人ほんと多いですよ。




食後や夕方に変な眠気が来る人は、だいたいB欠です( ̄ー ̄)




さて。

B群の話はこれくらいにしておいて、次はミネラルの話に移ります。



B群が欠乏すれば脳機能に様々な影響があることは、栄養学を軽~~~くかじるだけでも知ることができるのですが、ミネラル不足に陥っても脳機能に大きな悪影響が出てしまうことはなぜか今一つ浸透していません。



ミネラルは、仮に不足気味な人が適正に摂取したとしても効果を実感できるようなことが殆どない

と言われたりしていますから、もしかしたら

ミネラル摂取を推奨しても商売に繋がらない

みたいなことがその背景にあるのかもしれませんね。

だとしたらほんとに嫌な話です┐(´д`)┌




しかしミネラルは脳機能を適正に働かせるだけでなく、脳機能の発達という面においても、ビタミンB群以上に大きな影響を及ぼす栄養素です。

というのもミネラルには、



脳内で行われている電気信号のやりとりを円滑にする





という役割があるからで、要するに

ミネラルが不足すると脳機能が停止しちゃう

んですね。

脳機能が停止すればとうぜん肺も心臓も動かなくなりますし、そもそも脳自体が死んだも同然の状態になってしまいます。

だからミネラルは何をおいても重要な栄養素だと位置づけられているという事です。



まあさすがに脳機能が完全に停止してしまうほどのミネラル不足に陥るという事はこの日本に於いてはほぼほぼありえないことですが、とはいえ現代食はミネラルを除去した精製食がとても多いですね。

特に調味料関係はミネラルを除去されてしまっているものが多く見られますし、米や小麦粉などの主食についても玄米や全粒粉で食する人はほとんど見られませんから、ミネラルバランスが崩れていたり、特定のミネラルが枯渇に近いくらい不足している人が多くなっているであろうことは間違いなさそうです。




そうなると先に説明したB欠同様に

●体の微調整がうまく機能せず、

●病気という所まで行かなくても、

●何となく不調を抱え続けてしまう

といった症状が現れてくるのは言うまでもありませんし、




また脳内での情報伝達がうまくいかなくなるという事は、脳機能の発達を妨げることにもつながってきます。




ですから

実は近年増え続けている発達障害児の根本的な原因は、現代日本人のミネラル不足にあるのではないだろうか!?

と考えている人もたくさんおられるくらいで、ミネラル不足の深刻さが識者の間では非常に危惧されています。

現代日本人の食事情と重ね合わせて考えても理屈的には筋の通った話になってくるので、非常に信ぴょう性の高い考え方ではないかなと個人的にも考えています。




ただ厄介なことにミネラルはビタミンB群と違って吸収効率が非常に悪く、適度な摂取を続けることができたとしてもそう簡単に不足を解消することができません。

何かしらの効果や実感が出るまでに最低でも2年はかかる

というのが栄養学における一般的な認識です。





それだけにいくらバランスの良い摂取を試みたとしても効果を感じにくく、

ミネラルを摂取してみたけど効かなかったから摂るのやめたよー

となりがちで、その重要性や必要性がなかなか伝わっていきません。

体感の伴わない健康法は受け入れてもらいにくいんですね(ToT)




ですがここまで述べてきたようにミネラルは正しく脳を機能させたり、健全な脳の発達に欠かせない栄養素です。

決して不足させてはいけないものですから、やってみる気のある人は意識してバランスの良い摂取に取り組んでいただきたいものです。




2年では厳しいですが5年くらい継続できると、健康状態に根本的な違いが見られてくるようになると思います。