「思考や感情の源泉は腸にある」ことを知っていますか?

かつては栄養を吸収することと、排泄物の排泄経路であることくらいしか役割がない

程度の、重要度の低い臓器と思われていた腸ですが、




ここ20年ほどの間に研究が一気に進み、

その2つ以外にもたくさんの役割を持った、実は非常に重要な臓器であるということが分かってきました。





なかでも

「腸は人体最大の免疫器官」

であることや

「脳と2000本の神経で直接繋がっていて、何かしら脳に多大な影響を与えている」

といったことくらいは広く知られるようになってきたわけですが、




意外にも「思考」という機能までも持ち合わせていることについてはまだまだ知られていないようです。





思考は脳で生み出されるもの




という固定概念が、腸が思考を生み出しているという事実をなかなか受け入れさせないのかもしれませんね。





ですが腸には原始的な脳機能が備わっていて、複雑なことを考えることは出来ないまでも、本能や感情というレベルの思考は腸から生み出されていることはどうやら間違いなさそうで、

例えば腸の中では神経伝達物質やホルモンといった物質が生成され、それが脳で使用されることによって思考や感情がコントロールされていることが医学的に確認されています。




特にセロトニンという心を安定させる神経伝達物質は腸の中で作られ、それは脳で働くにもかかわらず、脳に存在するのはわずか4%前後で、残りのおよそ90%は腸の中に存在していることなどは、少し腸について勉強している人なら知られる話になりました。





またそうした医学的知識など持ち合わせていなくても、ミミズやナマコといった口と肛門以外は腸しかない生き物でも最低限の思考や感情を持ち合わせていることはなんとなく見て取れることだと思うので、そうした事実をきちんと踏まえて捉えていけば腸には思考する力があることが見えてくると思います。




また昔の人がどのようにして知りえたのかは本当に謎で不思議なのですが、日本では

腹がたつ

●腹を決める

●腹を割って話す

●腹黒い

といった本心であったり感情といったものがお腹(腸)にあるということを表す言葉が昔から使われていますし、




日本独自の文化「切腹」が武士の名誉とされたのも、

「仕えた主に対する忠義の気持ちに一点の曇りもないことを、腹を割って証明する行為だったから」

だとも言われていて、こうした日本で日常的に使われている言葉や過去の文化から推測してみても、本当に純粋な気持ちであったり本能的な部分は脳ではなく腸から生み出されていることが受け入れられるのではないでしょうか。




近年は心理学や脳科学などの解明や発展も進み、心の整え方や物事の捉え方について様々なテクニックが生み出されるようになりました。

それによって心理的な問題や様々な人間関係などが改善されたりする人も増えた一方で、引きこもりや鬱など、そうした単なるテクニックでは解決しない心の問題はそれ以上に増えてしまっているのが現状です。




そしてそうした状況の背景には、慢性的な便秘や下痢を始めとした腸内環境が悪化している人の激増が確実にあって、心の問題の本質的な原因は、その腸内環境の悪化にある可能性が高いことが伺い知れます。





腸は栄養を吸収したり排泄する為だけのそんな単純な臓器ではなく、心や感情を生み出す思考の源泉のような存在です。

その腸が汚れていては心が汚れ・思考がよどみ・決して健全な考えを持つことができません。



腸をきれいにするということは、自然と生み出される心や思考の浄化につながるとても大切な行為です。