つい先日、何気なくテレビつけていたら赤井英和夫妻が出演している「重粒子線治療のCM」が流れているのを見かけました。
重粒子線の治療は、ざっくり言えば「体に負担の少ない先端技術のがん治療」であり、保険適用外の高額な療法(200万とか300万くらいかかると言われてます)として有名ですね。
そして抗がん剤や放射線療法よりも治療効果が期待できそうなイメージが付いていることもあり、人気や信頼度も高く、希望者が殺到しているために、今や個人が希望してもなかなかその治療を受けられないと言われていています。
その重粒子線。
治療施設は国内に6カ所あり、たまたまですが僕が住んでいるたつの市にも、テクノポリスというバブル時代に未来型の都市を目指して建設された企業都市(と言っても結局開発は全然進みませんでしたが)に一カ所あります。
ちょっと余談で、且つあくまで噂にはなりますが、重粒子線は東大系列の施設になるため、京大系列の病院が多い近畿周辺の病院は、このたつの市の重粒子線施設を中々紹介してくれないと聞いたことがあります。
それが本当だったら、患者さんの命ではなく、派閥を優先される医療業界の在り方ってほんと嫌になりますね。
「何のために医者になったのか」
よくよくお医者さん自身に考えて欲しいものですが、じつはこうした医療を受けようとする一個人の方々にもよくよく考えてみて欲しいことがあります。
それが表題に繋がる話であり、ぜひお伝えしておきたい話なのですが、その内容というのが
重粒子線の施設だったらどこでも一流の治療を受けられるのか?
というこの何気ない質問です。
どうでしょうか?
どこでも同じレベルで非常に素晴らしい重粒子線治療が受けられると思われるでしょうか?
3~4年まえに、こういう業界に詳しい人から僕が聞いた話では、
「重粒子線治療を受けるにしても施設はちゃんと選んだ方が良いよ」
「神奈川だったか千葉の施設だったと思うけど、そこのドクターが他の施設とうちを一緒にしないでください」
「全然レベルが違いますから」
「なんて言ってたくらいやからね」
「ドクターでもほんとに凄い人もいれば全然ダメな人もいるわけで、当たりまえやけど皆同じレベルってわけじゃないよね」
「それは施設も同じことが言えるし、そこに勤務されているドクターだってそれぞれレベルが違うわけだから、重粒子線治療ならどこでも良いってわけじゃない」
「何ならそういった先端医療に限らず、通常の保険適用医療だって病院やドクターのレベルがみんな違うわけだから、少しでも良い病院・良いドクターにかかれるよう情報を集めて見極めはしといた方が良いよね」
ということでした。
確かにそう言われてみれば、
「この治療法を行ってくれるから大丈夫」
などということはないですよね。
むしろ
どんなにすごい治療法であっても、技術と経験が未熟なドクターが行うのであれば大した効果は期待できないかもしれませんし、何ならリスクの方が高くなってしまうかもしれません。
治療法が同じなら、一律どこでも同じようなレベルの治療が受けられると思うのは大きな間違いであり、単なる思い込みになるんでしょうね。
また、ドクターの人柄やモラルなどの考慮も大事だと思います。
横暴なドクターには自分の命を預ける気にはならないですからね。
やはり患者さんときちんと対話できるコミニュケーション力のあるドクターを選びたいものです。
しかしテレビCMであったりその他の宣伝媒体では、治療法の素晴らしさだけが紹介され、「さもこの治療法なら絶対大丈夫」的なイメージだけが植えつけられてしまい、こうした注意点については一切教えようとしてくれません。
むしろ「隠そうとしている」くらいに思えてしまう程、不親切な情報開示の仕方のように思えてしまいます。
ですがそれでは、不利益を被る患者さんがたくさん生まれてしまうわけですから、何ともひどい話だなと僕は思います。
だからこそ、「先端医療」とか「凄い効果が期待できる」といった言葉のイメージに上手く騙されないよう、「どこに気を付けて情報をまとめていくべきか?」をきちんと知っておくことがとても大事で、このような「どこに注意すべきか」というお話は、そうした上手い情報に騙されないための賢い消費者作りに役立つと思い紹介してみました。
「一見凄そう」に思える情報ほどすぐには鵜呑みにせず、このように分析を行ったうえで「この情報の真実がどの辺りにあるのか?」を考察する習慣を身に付けるきっかけにして頂ければ嬉しいです。