これは超単純な話で、結論は「筋力低下」と「体温低下」になります。
順番に説明していきますのでさーっと目を通してみてください。
誰もが知っているとおり、動物は体温の高い低いによって免疫力が変動します。
その影響は大きく
「体温が1℃下がるだけで免疫力が30%も下がってしまう」
ほどです。
ですから適正な免疫力を保つには体温のコントロールが重要になりますが、その体温を生み出しているのは主に筋肉になります。
しかし年齢を重ねていくとこの筋肉が急激に落ちていきますし、また一度落ちてしまった筋肉を取り戻すことも年齢を重ねるほど難しくなります。
そうなると、
自身が持つ発熱力だけでは適正な体温が維持できなくなり、それに伴って自然と引き起こされるのが「免疫力の低下」になるのですが、考えるまでもなく免疫力の低下は生命に直結する重大な問題
です。
免疫力が低い状態が続いてしまえばあらゆる感染症に罹りやすくなりますし、がんも体温低下が引き起こす病気ですから、そうした問題に対応しないわけにはいきません。
そこでその危機を回避するために行われる措置が「脂肪を蓄積」になります。
なぜ脂肪を蓄積することが危機の回避につながるのかというと、脂肪は保温能力に大変優れているからです。
北極や南極などの極寒の地域でも熊やペンギンが生きていけるのも、体にたくさんの脂肪がついていて極限の寒さから身を守れるからですし、人間でも太り気味の人は真冬でも寒さを感じにくく、それどころか普通に生活しているだけでも汗をかくほどですから、それだけ見ても脂肪の持つ保温能力の高さを伺い知ることができます。
ですから発熱力が落ちてしまった人は脂肪を溜め込む体質へと変化させることで、身を守ろうとするわけです。そうやって熱を放出しにくい体にすることで、体温低下を防ぎ、免疫力を維持しているんですね。
そのお陰で様々な病気に罹りにくくなるわけですから、有り難いことではないかなあと思います。
年齢を重ねるほどに太りやすくなるのはいわば「自然の流れ」といった所ではないでしょうか。