いま砂の値段が爆上がりしています。
その上がり方は尋常じゃなくて、
「そのうち金よりも高くなる」
と言われているほどです。
「なぜそんな高くなってるの?」
「ほんとに砂にそんな価値はあるの?」
と思ってしまいますね。
実はこの背景には世界的な人口増加と、それに伴う経済発展が大きく関係しています。
すでに中国やインドの人口増加と経済発展の著しについては誰もが知るところですが、ここ10年ほどの間に東南アジアでも人口が増えていて、経済も大きく発展しています。
特に経済の勢いはすごくて、今や日本人よりもはるかにお金を持った東南アジア人が数多く生まれているくらいです。
こうした状況になると必ず起きる現象が「高層ビルの乱立」や「高速道路・鉄道の整備」で、とにかく近代化・先進化しようとする流れになってしまいます。
「この流れ」こそが砂を高騰させている一番の原因で、というのもビルを建てる時に使うコンクリートや、道路建設に使うアスファルトの原材料は「砂」だからです。
「砂ならどこにでもたくさんあるでしょう」
「それでなんで高くなるの?」
と思われるかもしれませんが、
コンクリートやアスファルトに使える砂というのは、あるていどの大きさと砂の角が取れていないことが条件になっているそうで、砂丘とか砂漠の砂は使えない
そうです。
だから使える砂ってホントに限られてて、世界中で国家レベルの砂の奪い合いが始まってしまっていることから、砂の価格が高騰してしまったということです。
それに伴って「砂マフィア」が現れたり、良質の砂に質の悪い砂を混ぜて売りつける悪徳業者も出てくるほどの混乱ぶりになっているのだとか。
病院一つ建てるだけでも3000トンもの砂が要るということですし、関空のように海上に空港を建てる際にはそれこそありえないほどの量の砂を使い、そこには莫大なお金が絡んできますから、そういう問題が出てくるのも必然ですね。
日本はおもにオーストラリアから良質の砂を買っているようですが、採掘できる砂にも限りがありますし、砂の価格の高騰もあってどんどん手に入りにくくなっているといいます。
当たり前に手に入ると思っていた砂が、今や希少価値の高い資源へと変わってしまいました。
「失って初めて本当の価値を知る」
というのはこういう事なんだろうなあ~と思ってしまいます。
今後は日本でもビルを建てたり道路を作ったりするのもどんどん難しくなっていきそうです。
なお、砂は僕たち一般市民が使う生活用品にも良く使われているそうで、なんと歯磨き粉にも使用されているということです。
知らないところで少しずつ、僕たちの生活にも影響が出てくるということですね。
もしかしたら学校にある砂場ですらも見れなくなる日がくるのかもしれません。
そうなると寂しい話です。