「慢性疲労の正体とは、脳もしくは肝臓の慢性的な疲労」であることは前回記事で簡単にご紹介しましたが、では脳や肝臓に蓄積してしまった疲労はどのようにすれば抜くことが出来るのでしょうか。
今回は脳疲労の抜き方について端的にご案内してみます。
脳疲労が慢性化する原因の大半は物事の受け止め方や考え方よりも別の所にありますから、そのことを踏まえた上でぜひ参考にしてみてください。
■腸内環境を整える
早速結論からですが、脳疲労を取るためには大きく二つのポイントがあるとされています。
その内の一つが「腸内環境をきれいにすること」です。
というのもこの話は多くの方が知る所となりましたが、脳機能や精神状態を安定させ、精神的ストレスの緩和に高い効果を発揮するホルモン「通称幸せホルモンのセロトニン」は90%以上が腸の中に存在し、尚且つ腸内の善玉菌が作り出していることが確認されています。
ですから腸内環境さえ整っていればセロトニンがしっかり作り出されますから、精神的ストレスが蓄積するようなことも基本は起こらないはずなのですが、例えば慢性的に便秘や下痢に悩まされている方などの場合は当然善玉菌の数が激減していますから、その場合精神的ストレスに耐えられるだけのセロトニンが産生されず脳疲労が蓄積していく可能性が考えられます。
ですから腸内環境を整えて十分なセロトニンの産生量を維持しすることが大切になるということです。
■ストレスの軽減に役立つ栄養素をしっかり摂る
もう一つの重要なポイントが、脳が必要としている栄養素をしっかり摂取するということです。
というのも脳は人体の中で最も栄養を消耗する臓器であることに加え、栄養が心を作っているという考え方もあるくらい、実は栄養素は心の状態を大きく左右するものになります。
またアメリカなどの欧米諸国では多動や発達障害なども栄養障害によるものという考え方が一般的と言われていて、そのことからも心と栄養の関係性が見えてくると思います。
ですから心への影響が大きいと言われる
●アミノ酸(タンパク質の基)
脳が喜ぶ栄養素と言われています。セロトニンはこのアミノ酸が原材料となって作られています。
●脂質(DHAやEPAなど)
脳の炎症抑制や血流促進に役立ちます。
●ビタミンB群
セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなど神経伝達物質の産生促進に関わっています。
●ビタミンⅮ
セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなど神経伝達物質の産生促進に関わっています。
●葉酸
セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなど神経伝達物質の産生促進に関わっています。
●カルシウム
神経伝達の効率に関わるミネラルです。不足すると神経伝達が上手く行われず、精神面に影響が出ると言われています。
●マグネシウム
神経伝達の効率に関わるミネラルです。不足すると神経伝達が上手く行われず、精神面に影響が出ると言われています。
●鉄
不足すると赤血球内に酸素の取り込みが出来なくなり、脳が酸欠状態になって精神状態が不安定になってしまいます。
●亜鉛
記憶やストレスの対処に重要な影響を与えていると言われています。
辺りの栄養素を意識して摂取し、決して不足しないよう心掛けることが重要で、日頃の食生活の質がそのまま精神面に影響が出ているとも言えそうです。
特にミネラルは吸収効率が非常に悪く、一度不足状態に陥ってしまうとどんなに適量を摂取したとしてもその不足が補われるまでには最低2年はかかると言われていますから本当に注意が必要。
精製された食材や調味料などは可能な限り避け、バランスよくミネラル摂取を心がけることは、慢性的な脳疲労を改善する上において最重要課題になると言えそうです。
