スーパーフードという言葉に騙されないでください!!

近年よく耳にする健康情報の中に「スーパーフード」という言葉がよく出てきます。
ビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養バランスに優れた植物由来の食品のことを指していて、一般的な食品よりも栄養価が高いとされています。
元々はアメリカやカナダで流行り出したマーケティング用語の事だそうですが、ここ日本では言葉のイメージだけが先行してしまっていて、まるで「これさえ食べていればすべての栄養がバランスよく補給でき、様々な病気・不具合の改善に役立ち、健康の維持増進も叶う」かのようなイメージを持たれている人が多くおられるようです。
しかし本当にそうでしょうか。
ウィキペディアによれば、「スーパーフード発祥の地アメリカの公的機関ではスーパーフードの定義は定まっておらず、科学的根拠も現在調査中」とのこと。
ですからスーパーフードが本当に栄養価に優れたスーパーな食品であるのかどうかについてはかなり疑わしい部分があるという事になりますし、現時点でスーパーという言葉を使っていること自体過剰表現ではないかとも思えてしまいます。
また植物で大事なのは「どのような種類の植物か?」という事よりも「その植物が育つ土壌」の方にあります。
何故ならいくらスーパーフードと呼ばれる植物であっても、育つ土壌が痩せていたり或いは汚染でもされているようであれば、とうぜんそのような植物の栄養価や安全性には疑問が付くからです。
「農薬は使っているか?」「肥料は使っているか?」「使っているとしたらどのような種類のものをどのくらい使っているか?」といったことの確認も大事ですしね。
そのように考えていくと、スーパーフードという「何やらすごそう」なイメージだけを先行させてしまう言葉というのは、実際の状態と大きくかけ離れた表現である場合もあるはずで、こうした言葉を安易に使用することは消費者を騙す行為にもつながりかねない危険性をはらんでいます。
それなのにネット検索してみると「一般社団法人スーパーフード協会」なる団体が出てきて、スーパーフードマイスターなどという資格検定まですでに作られていました。
驚きですね。
こうした団体と資格を作れば一定の信用度を得やすくなりますからスーパーフードの普及には繋がりやすくなると思いますが、それが消費者にとって意義のあるものであるかどうかというとまた別の話になってきます。
スーパーフードやスーパーフード協会が必ずしもダメだとかいい加減な団体であるとかいう訳ではありませんが、それらを説明する表現内容と実際の価値との誤差には気を付けたほうが良いのではないでしょうか。
その誤差が小さければ大して問題はありませんが、大き過ぎることは消費者にとっては不利益を被ることに繋がってしまいますから。
それに何よりスーパーと言えるような都合の良い食材自体そうそうあるはずもありませんしね。
何でもかんでも疑いを持つことが良いとも思いませんが、「この情報のどのあたりに正しい部分があるのか?」ということを見極めようとする姿勢を持つことはとても大事なことだと思います。
都合の良い表現に騙されて、間違った方向に誘導されないよう気を付けてみてください。