アウトドアブランドメーカーmont-bell創業者の辰野勇さんが提唱される「チャレンジに成功する51%の秘訣」

mont-bellと言えば、今や誰もが知るくらい有名になった国内のアウトドアブランドメーカーではないでしょうか。

1年ほど前、そのmont-bell創業者の辰野さんが兵庫県の宍粟市(これで「しそうし」と呼びます)というむかしは林業が盛んだった山間部に、講演会を行うためにお越しになられたことがありました。




偶然知人がその講演会に誘ってくれたご縁で辰野さんの話を聞くことができたのですが、

「近々世界的に有名な名峰(確かマッターホルンだったと思います)にチャレンジする予定です」

と、70歳を過ぎた今でもまだまだ心身共にアグレッシブさ全開なご様子がとても印象的でした。




その辰野さん。

6人ほどの親しい登山仲間と撮った一枚の写真を講演会の冒頭に紹介してくださったのですが、何とその仲間の半分が登山の最中にお亡くなりになられているそうです。

しかもたんに滑落したとかだけでなく、氷の塊に胴体を切断されて亡くなられた方もおられたそうですから何ともすごい話ですね。




それをさらっと話されるので一瞬「そうなんですね~」と軽く聞きながしそうになりましたが、よくよく考えてみるとおよそ半分の確率で人が亡くなっているのだから、山登りがいかに危険で死と隣り合わせなものであるかが分ります。





そんな危険度の非常に高い登山というスポーツですが、辰野さん曰く

「どんなに危険度の高い山に登っていても、今まで自分が生きて帰って来れたのは偶然ではなく秘訣がある」

ということで、





「ではその秘訣とは何か?」

というと、




それが

「51%の確率」

なのだそうです。






「じゃあその51%とは何に対しての確率なのか」

になるわけですが、





これは

「成功する確率」

の事を言われていて、





危険を伴うチャレンジが求められる局面においては、成功と失敗の確率が「50%:50%」ならチャレンジを止めて撤退を決断するけれど、成功の確率が失敗する確率よりもわずか1%でも高かったらチャレンジを選択する

というもので、そのわずか1%の成功確率の違いの見極めが今日まで無事に生きてこられた理由だとおっしゃられていました。




そしてそれは登山だけに限った話ではなく、mont-bellという企業の経営においても同様の考え方でチャレンジと撤退を決断し続けてきた結果、大阪の船場からスタートした小さな会社が今や全国に124店舗も展開するまでに成長させることができたということですから、

この51%の秘訣というのはあらゆるチャレンジの局面において役立つ考え方なのかもしれないなと思って聞いていました。




生きていれば日々何かしら決断を迫られるシーンが訪れると思いますが、決断に踏み切れないような難しい状況になることも多々あるはずで、そうした時にこの51%の考え方を当てはめて決断してみると良いかもしれませんね。

とても面白く、理にも叶っていて、勇気をもらえるお話でした。