この映画。
1971年にアメリカのスタンフォード大学で行われた監獄実験を題材にしたもので、
ー映画の紹介文をそのまま転載ー
健康な男子大学生を囚人役と看守役に分け、立場や役割が人に与える影響を調べる実験だった。期間は14日間としていたが、実験が開始するやいなや暴力が蔓延し、わずか5日で幕を閉じた。この悪魔の実験を映像化した本作では、“命令”の名のもとに、普通の人間がいとも簡単に残忍になり、人格を崩壊させていくかが描かれていく。
という内容になっています。
この実験についてはウィキペディアにも
強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう。
という記載がありましたが、権力を持つ人間が急激に狂暴化していく様子がとても衝撃的な映画で、
理性が外れた人間が、いかに凶暴で残忍な生き物であるか
が思い知らされます。
ただこの話。
自分達には全く関係ない実験だったのか?
というと、僕はちょっと違う気がしていて、
ふと、
もしかして会社という組織も、実はこの実験に似た環境にない?
なんて疑問もわいてきます。
なぜなら会社という組織も限られた狭い空間になりますし、給料という人質を盾にされつつ、経営者や役職者といった強い権力を持つ者と、力を持たない人間に分かれているからです。
労働基準法や道徳心などによって極端に酷い環境を強いられる会社は少ないのかもしれませんが、でもブラック企業なんていくらでもありますし、
また上司が部下に対して心無い言葉を使ったり、無理難題を吹っ掛けられることも珍しくありませんから、
実はこの実験で起こった悲劇は、程度の差はあれこそ、日常の色んなところで起こっていることなんじゃないかなあと思います。
僕も昔勤めていた会社ではどれほど虐げられてきたことか(ToT)/~~~
「まさしくその通り!!」
と同意される方も結構多いのではないでしょうか。
また気を付けておきたいのが、そうした枠組みとヒエラルキーが存在しているのは会社だけではなく
●学校での教師と生徒
●部活動における先輩と後輩
●家庭内での親子間や夫婦間
●自分が所属している友達グループの中
といったほかの身近な所でも発生していますから、
いつの間にか自分自身も権力側か力を持たない側のいずれかに入っていて、無意識に人を傷つけたり傷つけられたりしていることがあるのだと思いますし、
この実験で起きたことは決して珍しいことでもなんでもなく、ごくごく身近なところで常に起こり続けていることなのだとも思います。
それだけに
人がどのように人を支配し傷つけていくのか。
そのメカニズムをこうした映画や情報から知ることによって、上下関係やヒエラルキーを作らない人間関係の構築に役立てていただけたらいいなと思うところで、
決して自分が支配する側にも支配される側にも回らないよう
心がけながら、日々を過ごしてきたいものです。