化粧品の新製品やリニューアル品が店頭に出るまでの流れと、今の化粧品業界のちょっと寂しい様子について少しご紹介します

今から6年ほど前の事になりますが、ソニア化粧品の説明を行うため、広島県福山市方面に向かったことがあります。

お伺いした先は長らく化粧品販売を続けてこられた方の販売店舗で、国内の有名メーカー複数社の商品を取り扱われているかなり大きなお店でした。



翻って僕自身はソニア化粧品の取り扱いを始めてまだ間もないころで化粧品業界の事は全くわからない状態だったこともあり、業界大ベテランの先方さんがソニア化粧品の説明そっちのけでいろいろと教えてくださったのですが、

その時の話が僕的には面白く感じた内容でしたので、とくに裏話というものでもないのですが今月はそれをご紹介させていただきます。


うろ覚えで書きますので事実とは異なることも若干あるかもしれませんが、大体は合ってるはずなのでご了承ください。







早速ですが一つ目は新製品やリニューアル品が全国各地の店頭に並ぶまでの簡単な流れについてで、
面白いというか意外だったことなのですが、新製品やリニューアル品って、店頭に並ぶ一年前にはすでに必要量生産され、保管されているそうです。



なぜかというと、

まず今ある現行品の在庫を全て販売し終わるまでに一定の時間が必要であるということ。

ある程度時間をかけて宣伝告知を行い、消費者の興味や購買意欲を高めておく狙いがある事。

さらにタイミングを合わせて全国の各店舗が商品の入れ替えを一斉に行うため、かなり早い段階からそのタイミングを決めておき、スタッフを揃えたり派遣するためのスケジュールを組んでおかなければいけませんし、

各店舗ごとに商品をどのようにディスプレイしていくかを考えたり、商品説明の研修などのためにも余裕を持った時間が必要になる

からのようです。



さらにこれは個人的な憶測になりますが、

車ってモデルチェンジや全く新しい車種が出た直後は予想もしていなかった不具合がでることが多いのですが、

化粧品もそれと同様に新製品やリニューアル品の場合は予期せぬ不具合が起きる可能性がありますから、早めに流通の準備だけは終わらせておいて、販売研修などを通しながら細かなチェックを行いつつ、仮にそこで何かしら不具合や問題が発見されたとしても販売開始までに解決が図れるよう(販売延期を防ぐため)、一年という長い期間を設けているのではないかな

と、今は思ったりします。



思慮の浅かった当時はそういう販売までの経緯というものを考えたこともなかったですから、こうしたたくさんの気遣いがあった上で商品というのは店頭に並べられるんだなあと関心したことを今でもよく覚えています。

事前準備ってほんと大変。



「作ったらはい終わり」じゃないんですね(^_^;)








もう一つのお話ですが、こちらは

「大手化粧品メーカーの代理店サポート営業員がぎりぎりまで削減されている」

という内容で、先方の方が大変残念そうにお話されていたから印象に残っているのですが、どうやら誰もが知るあの国内大手メーカーですら、中国地方の販売代理店をサポートする営業員は、僅か1人か2人程度にまで削減されているそうです。

それで中国地方全体の販売店をフォローするってどう考えても無理がありますよね。



だけど代理店サポートの営業さんてほんと大事な存在らしく、昔はもっと人数が多くて(各県に1人~2人くらいはおられたと言われていたような気がします)お店に直接顔を出してくれることも多かったから、

「こちらの店舗では○○がよく売れているから、次はそれをもう少し多めにお持ちしましょうか?」

とか

「商品ディスプレイこんな風にしてみたらどうですか?」

とか

「こういう説明や提案の仕方でもう少しこの商品をお客さんにお勧めしていきません?」

とか

「何か困ってることないですか?」

等々お互いに相談し合いながら販売をされてきたのだそうです。



それが今はこの少ない人数のため、やり取りは全部電話だし、顔を見ることなんて一年に一回あるかないかくらいということで、

「化粧品業界も厳しいのは分るけど、営業さんの顔を見ながら直接のやり取りができたからこそ私らもこれまで頑張ってこれたっていうのもある分、なんか経済だけが優先されて人間味のない寂しい状況になったね~」

なんて言われてました。



企業としては利益が出ないと存続できないこともあり、どうしても営利優先で物事を運ぶきらいがあるのですが、現場にいる人間は経済だけでなく、人間関係あっての仕事の仕方を大事にされている人も多いので、経営側と末端の販売側に隔たりが生まれやすくなっているようです。

残念な話ですね。



全くど素人だった当時の僕は

「大手化粧品メーカーさんなら経営に余裕もあり、人員もそれなりに揃えられている」

と思っていたので、機械的な人間関係の話と併せて二重の意味で残念なお話でショックを受けたものです。

でもそれくらい今の化粧品業界はどこも大変厳しい状況なのだということが分って大変勉強になりました。



今はコロナの関係もあって化粧品業界はさらに厳しい状況になりましたが、それでも各メーカーどこも頑張ってますし、こちらもそうした世知辛い世の中の風潮に流されず、明るく前向きに行かなきゃなあと思う次第です。

もう一度活気ある化粧品業界を取り戻せたら良いのだけどね~。



「消費者の見抜く力」を高める事ができれば、うわべの情報に流される人が少なくなり、それが健康業界全体を健全化させ、より良い情報・より良い製品の普及へと繋がっていくと思います。
その為にも、一般消費者からはなかなか見えにくい健康業界の裏側の部分について、業界内部におられる方から聞いた話や、私個人の推測などを交えてご紹介し、賢い消費者作りに貢献していきたいと思います。