人生を変えてしまうような経験や言葉に出会ったことは、誰しも一度や二度はあるのではないでしょうか。
僕にも数は少ないながらも何度かそういう経験があるのですが、その人生を変えてしまうようなきっかけの一つに『日本で一番大切にしたい会社』という本がありました。
2008年に出版され一躍話題になった書籍のタイトルなのですが、タイトル通りその本には日本のあまたある会社の中でも特に大切にしていきたい素晴らしい会社が紹介されていて、「泣けるビジネス書」という非常に高い評価を得た一冊でもあります。
今月はその書籍の中で紹介されていた、ネッツトヨタ南国で当時相談役だった横田英毅さんの「自己成長の大切さ」についてのお話を少し書かせていただこうと思います。
話しは「ネッツトヨタ南国は、決して給料が良い会社ではありません」という件からで、
どうやらこのネッツトヨタさんはそのほかの待遇面についても、決して良い会社ではないのだそうです。
ですから普通ならそのような会社の社員の離職率は高いはずなのですが、他のトヨタ系列ディーラーさんはもちろん、自動車業界全般と見比べてみても離職率は格段に低い「わずか2%程」しかないのだそうです。
そのうえ業績もずば抜けてよく、社員が生き生きと働いていることで非常に評価されている会社なんです。
だから『日本で一番大切にしたい会社』にも取り上げられているわけですが、ではなぜ決して待遇面がよくない会社で社員が幸せに働くことができているのか。
横田さんは「自己成長とやりがいが全て」とお話されています。
「もちろん給料などの待遇面は大事です」
「しかし人間はそれ以上に、やりがいを感じることであったり日々自分が成長していけているという実感があってこそ、仕事に対する喜びを感じることができますし、会社を好きでいてくれるんです」
「だから、例えば弊社では経済に繋がる道徳を追求したリ、数を売ることよりもまずサービスの質を高めることに重きをおいて社員教育を行います」
「そうすると、その企業姿勢や営業姿勢にお客様が喜んでくださります」
「そしてそれが社員の喜びになり、やる気に繋がり、会社の業績にも繋がっているというわけです」
「有難いことに弊社は待遇面が良くない分、この仕事がしたいというやりがいを重視して入社を希望してくれる方が殆どです」
「だからこうした話が伝わりやすいのでしょう」
「近年は、売り上げや営業成績といった目に見えるものだけに価値が置かれがち、且つ大半の企業がその考えに倣っているわけですが、社員はそうした売り上げ至上主義の考え方だけではやる気や愛社精神を持つことは出来ません」
「大切なのは、この会社に勤められているからこそ成長出来ているという自己成長を実感できることにあるんです」
「人間これに勝る喜びはありません」
ということでした。
たしかに言われてみるとほんとにそうなんです。
僕自身、会社勤めを行っていた時はやりがいなどは一切考えず、給料だけで会社を選んでいましたが、その結果は悲惨なもので、やりがいも達成感もなく、感情を持たない機械のようにただ働いているだけでした。
今思えばこれほど不幸なことはなかったと思います。
(きっと同様の経験されている方は多いのではないでしょうか)
ですが横田さんのお話を知ってから、
「自らの成長させていきたいところはどこだろう?」
「どんなところが成長出来れば自分は満足できるのだろうか?」
といった事を大切にしながら、仕事であったり日常生活を送るようになると、失っていた心を取り戻せたというか、あらゆることが以前とは違う景色に変わっていきました。
また自らの成長を実感できることがあるとそれが何かしらの自信に繋がっていくわけですが、
人は自信を持つことができるものがあるからこそ、自分らしさを出すことができたり、物事を前向きに捉えたり、何かにチャレンジできるようになるのだ
ということにも気付かせていただき、「こんな自分でも頑張れば・・・」と救われた事を覚えています。
「人間の一番の喜びは自己成長を実感すること」というのは、もしかしたらこの世の真理の一つ
なのかもしれませんね。