世の中すごく効果のある方法ならいくらでもありますよね。
例えば、
- がんなら切除すれば無くなります。
- アトピーならステロイドを塗れば痒みが消えます。
- 高血圧なら降圧剤を飲めば血圧は安定します。
しかし、その良くなった状態を維持し続けることができている人はは中々いませんね。
- がんは数年後に再発することが珍しくありませんし、
- アトピーもステロイドの効果が切れればまたすぐに痒みが復活します。
- 血圧も降圧剤の効果が切れてしまうとまた元の高い血圧に戻ってしまいます。
こうした「ますぐに元の不安定な健康状態に戻ってしまう」という現象は、何も現代医療に限った話ではなく、
- 食事療法
- 鍼灸
- 整体
などを始めとした、その他の代替療法であっても同じ現象がしばしばみられます。
それは恐らく多くの人が感じていることではないでしょうか。
だからこそ、いまだ「次から次へと新たな治療法や健康法が作りだされては消えていく」というとっても悪いサイクルが続いているわけですが、じつはここにこそ本当に病気や不具合を治すためのヒントが隠れているということに気付いている人はどのくらいいるでしょうか。
答えというのは上手くいかないことの解析の先に見つけることができるものですから、ここにヒントがあるのは当然です。
だからちょっと考察してみてください。
と言ってもとっても簡単なことですから安心していただきたいのですが、
そもそも現代医療であっても代替療法であっても、効く方法はたくさんある
わけです。
だけどすぐに元の不安定な状態に逆戻りしてしまうということは、
その良い状態を維持する力が足りていないから
だということになりはしないでしょうか。
この良い状態を維持する力のことを恒常性と言ったりホメオスタシスと言うわけですが、つまりその「恒常性をどうやったら高めていけるか?」ということが、じつは一番重要でありカギとなるポイントではないかということなんです。
このことは商売を例にした方がたぶん分りやすくて、
流行り物で一気に売り上げを伸ばせた企業も、流行りが終わるとその売り上げは一気に落ちてしまいます。
タピオカとかたまごっちなんか(古くてすみません)は一時期の売り上げが凄かったですね。
比較的最近だとポケモンのゲームなんかも一時期凄く流行ってましたよね。
だけど今はどうでしょう?
全く聞かないですよね。
ところが会社やお店を経営するとなると、そうした流行りものが廃れ、売り上げが激減したとしても何かしらの方法で必要な売り上げを上げ続けなければいけませんね。
でないと倒産してしまいますから。
じっさい一時は時流に乗って繁栄したけど、その後簡単に潰れてしまった会社なんて数えきれないくらいあるわけです。
だけど流行りものが当たり、それが廃れていってもその後も安定的に経営できてる会社もたくさんあって、そういう会社っていうのは大抵の場合大きな収入や売り上げには繋がらなくても、何かしらずーっと買い続けてもらえる定番的なサービスや商品を持たれていたり、またなじみのお客さんをつくることでいつまでも安定的に通い続けてもらえる人間関係を作られていたりして、時代の流れや世の中の景気に左右されにくくするための安定経営に必要な要素をきちんと確立されています。
つまり、
売り上げを大きく上げる方法と、安定経営を行う方法というのは全く別物
なんですね。
ですからそれは健康においても同様で、
「効果の高い治療法」と「恒常性を高める方法」というのは全く別物
だということなんです。
ところがここに気付かずに「ただ効果の高い方法」だけを求めている人があまりにも多いため、一時的な効果を得られる方法だけしか世の中に広まっているということです。
だからいつまで経っても病人が減らないし、不具合に悩む人も減ることがありません。
だけど本当に大切なことは「治す方法」を持っておくことだけでなく、「恒常性(維持する力)を高める方法を知っておくこと」です。
ただ残念ながら恒常性を高める方法というのはいくら実践しても体感が出にくいうえ、どう頑張っても興味を持ってもらえるような説明が出来ないため、見向きをしてもらえることが殆どありません。
言ってみれば小学生にあいさつの大切さとか道徳の重要さを教えるようなものなんですよね。
興味を持ってもらえるような説明するなんて絶対できないでしょう?
それだと商売に結び付けられないので誰も話したがらないのですが、とは言えこれまでも書いてきたように安定的に健康状態を維持し続けるためにはこの恒常性を高めることが絶対条件になりますから、僕自身は一人でも多くの人に伝わることを信じてこのブログの中で少しずつ書いていくつもりです。
そういう訳で次回は「恒常性」についての解説を少ししてみようと思います。