イヌイットの歴史からうかがえる食の真実

現在議論されていて、まだ明快な答えが出ていない事でも、歴史を振り返りながら考察していくと見えてくる真実って結構あると思います。

それは「食」も同じで、今回お話するのは「肉」についてです。



肉と言うと大体悪者にされることが多く、

  • 食べない方が良い
  • もともと人間は草食動物だ
  • 人間に肉を食べる食文化などない

みたいな話をする人がけっこうおられるのですが、それは大間違い!!



それをはっきり断言できる理由が「イヌイットの人々」になります。



イヌイットというのは北極圏で生活されている先住民族の方々の事で、

考えるまでもなく、北極圏は極寒の地域のため、植物が育たず、農耕によって食べ物を得ることができません。

にも拘らず、

なぜイヌイットの人たちはそのような環境の土地に移住し、住み続けているのか?

不思議ではないでしょうか。

普通に考えれば、そんな環境の土地を居住地に選ぶこと自体まずあり得ないはずです。




となれば、出てくる答えは一つしかなくて、

食料となる動物を追い求め続けるうちに北極圏に辿りついた

としか考えられないんですよね。



なぜなら昔は今ほどの人口ではないため、農耕を行う気があるなら土地はいくらでもあったはずだからです。

だけどその選択肢を捨てて、敢えて植物が育たない極寒の地にまで移動をおこない、さらには居住地として選んでいるわけですから、どう考えても獲物を追い求めた結果の選択だったとしか考えられないわけです。



ということは、イヌイットの人たちは肉食で、肉を追い求めて北極圏に辿りつき、肉を食べることで命を繋いできたということになりますね。

じっさい今もアザラシの肉を主食にしている昔ながらの食生活を行っているイヌイット族の方がまだ若干名おられるそうですよ。



ですから、

人間に肉を食べる文化など無かった

などという説はどう考えてもあり得ないんです。





それから、

人間は草食動物である

とか

肉は体に悪い

という説についても、例えばイヌイットの方々で、今も昔ながらのアザラシの生肉を食べているような方々の間には

  • がん
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • アレルギー

などの病気は一切ないと言われています。


生肉を食べるため、ウィルスによって肝臓の病気になることはあるそうですが、いわゆる現代病と呼ばれるものはほぼ皆無だということです。

つまり必ずしも肉が体に悪いというわけではないということの何よりの証拠ですね。




大体そんなに肉が体に悪ければ、ほぼ肉しか食べていないイヌイットの方々はもうとっくの昔に絶滅してるはずですからね




でも今もちゃんと子孫の方々が繁栄し続けられているわけですから、

  • 肉が体に悪い説
  • 人間は草食動物である説

がいかに偏った身勝手な考え方であるかがよく分るというものです。


肉が好きな僕としては大変ありがたい事実です。

「肉を完全否定してる人もちょっとはこういう事実を受け止めて認めなさい」

と声を大にして言いたいところです。





ところでこれは北国の寒い地域にお住いのイヌイット族の話だったわけですが、赤道付近の暖かい地域になってくるとまた事情が少し変わってくる可能性があるので、その話もちょっとだけしておきます。


というのも、暖かい地域ほど「肉はあまり食べない」という説がありまして、それが何故かというと

農耕が可能な地域だから

と考えられています。


これは狩猟というのは狩りが成功するかどうかわからず、安定した食料補給が難しいという問題がある事に対し、農耕は上手くいきはじめると安定した食料確保が可能になるうえ、保存もしやすいからで、野菜や果物が育てられるならわざわざ狩猟に頼る必要がなくなるからです。


だから赤道に近いほど農耕が盛んで菜食中心の国が多い


と言われています。



この説については特に確認を取ったわけではないので信頼性については分りませんが、でも筋の通った考え方にはなるので、恐らく大きな間違いはないだろうと思います。

ですからそういう地域の方々にとっては肉よりも野菜が多い方が体に適しているのでしょうし、ある程度バランスを考えた方が良さそうです。


とにかく自分が生まれ育った地域や遺伝によって食べ物の良し悪しは変わってしまいますから、一括りに善悪を決めれるようなものではないということです。

それを言いたいがためにこの記事を書いてみました。


色んな説があってどれが正しいかわからない時は、このように歴史を振り返ってみたり地域特性などから判断してみると、より正しい答えが見えてくるかもしれません。



参考書籍

姫路のおとなり加古川市にある自然療法のクリニック。

崇高クリニックの医院長の書籍を参考に本記事を書きました。

ここの医院長もかなり偏りがある方なのですべてを鵜呑みにはしない方が良いですが、

  • ハーバード大学附属小児病院脳神経外科研修医
  • ハーバード大学医学部臨床栄養学部助教授
  • アメリカ国立公衆衛生研究所客員研究員
  • サウスカロライナ大学医学部勤務

などを経験されてきている方なので、学べる点も多いと思います。

けっこうおもしろい書籍ですから、気になる方は読まれてみるのも良いと思います。