先日、車の移動中にアニメプロデューサーである「岡田斗司夫」のユーチューブをかけていたら、「メルカリが小学校で道徳の授業を行っている」という話が出てきました。
その内容というのが、
「要らないTシャツを売りたい」
「だけどそのTシャツにはシミがある」
「このシミは、メルカリに出品するとき、写真に写さなくても良いと思いますか?」
という課題。
そしてその問いかけに、最初は子供たちも
「写真なんて撮らなくていい」
「素直に言うと損をする」
という意見を出していたそうですが、議論が進むうちに
「言いにくいことも素直に言っておかないと後でトラブルになる」
「信用を落とすようなことを続けると、最初は売れてもそのうち信用がなくなって物が売れなくなるから結果的に損をする」
「だからシミの件は正直に言うべきだ」
という結論に落ち着いたそうです。
かつて自分が学生だった頃の道徳の授業というのは、どこか自分とは別世界の話をされていて他人事のようにしか受け止められなかった記憶があります。
しかしメルカリが行ったこの授業内容は、「ネット販売」という今やだれもが毎日のように行っている最も身近な事が題材になっていて、しかも殆どの人はネットで物を買ってみて「失敗した」「損をした」ということも一度や二度は経験していることから、自分事として考えやすい課題だった事が素晴らしいと思いました。
それが功を奏して生徒自らが「誠実さこそ一番重要」だという、これ以上ない健全な答えに辿りついたことは、最高の授業だったのではないかと思います。
またこうした授業を教育機関ではなく一企業が行ったことも素晴らしいことで、こういう取り組みを行う企業や学校が増えてくれれば、少しずつ社会が良い方向に向かっていけそうな気がします。
地域や家庭といったコミュニティーの中でも、このような教育が増えていくと良いですね。