国内洗剤メーカーの洗濯洗剤には「リン」が入っていません

リンは「安くて洗浄力の高い安全なミネラル」です

ですから「洗濯洗剤には最適な原材料になる」ということで、かつては世界中のあらゆる洗剤メーカーが洗濯洗剤に使用していました。

とうぜん日本のメーカーもリンを洗濯洗剤に入れることが当たり前でした。


しかしリンは赤潮の原因に・・・・・・

ところがリンは非常に栄養価の高いミネラルであったため、一般家庭から流れ出てくる洗濯排水によって、湖や海が富栄養化し、至る所で赤潮が発生するようになりました。

リンそのものは安全でも、それが多くの家庭から排水されることによって有害プランクトンの大量発生を引き起こすことに繋がってしまい、結果的に湖や海が汚染されてしまいました。

いまやリンは「海の糖尿病(富栄養化)を引き起こす最も大きな要因の一つ」として認識されています。



日本国内の洗剤メーカーはリンの使用を自主的に規制

そのような結果を受け、環境保全の観点から、国内洗剤メーカーは洗濯洗剤にリンを使用することを禁止。

法的な規制ではないものの、各メーカーの自主的な判断により、暗黙の了解で各社一斉に使用を取りやめたと聞いています。

スーパーやドラッグスアに行かれた際、花王をはじめとした日本企業と、海外企業の洗濯洗剤の原材料表示を見比べていただければ、日本企業の洗剤にはあるミネラルが使用されていないことが分ります。



その結果 海の富栄養化が改善されることに!?

その努力のおかげもあってか、20年ほど前までは夏場になるとよく赤潮大量発生のニュースが流れていたのに、最近はそのような話を聞かなくなりましたね。

富栄養化を食い止められた要因が全てリン使用の自粛によるものなのかどうかはもちろんわかりませんが、とは言え少なからず日本企業の健全な姿勢と努力が大きく貢献したことは間違いないと思われます。


海外メーカーの洗剤には、リンが当然のように使われています

いっぽうで、海外メーカーの洗濯洗剤にはいまだにリンが当たり前のように使われている製品がまだまだあるそうです。

当然スーパーやドラッグストアに置いてあるものの中にも、リン入りの洗濯洗剤はたくさんあります。

こういう話しを聞くと、海外の企業のモラルについて非常に疑問を感じます。



「他国で商売をさせてもらうからこそ、より気を使った製品を販売するべきでは?」



と僕などは思うのですが、海外企業からすれば

●「この程度のリンの使用なら環境汚染にはならない」
●「リンが富栄養化や赤潮の原因になっている」という説自体まちがっていて安全である

という認識で、悪気はないなのかもしれませんね。


ただ、

●「他国の環境の事など知ったことではない」

という考えでリンを使っている可能性もある訳で、そのあたりは海外の洗剤メーカーに本当のところを聞いてみたいものです。

いずれにしても「海外の洗濯洗剤にはリンが使用されているものもある」ことは間違いありません。


出来る限り国内メーカーの洗濯洗剤を選んでいただけたら嬉しいです

これは完全に僕の独断と偏見と願望になりますが、できる限り海外メーカーの洗剤は使わずに、国内洗剤メーカーの製品を使用する人が増えてくれるといいなと思っています。

国内メーカーの製品にも「蛍光増白剤」や「アルミノけい酸塩」などが使われているものが多いので、けっして「国内メーカーの製品なら何でもいい」と思ってるわけでもないのですが、それでも利益より環境を優先している国内メーカーの心意気は大変素晴らしいものがあると思います。

多くの従業員を抱えている洗剤メーカーもたくさんある訳で、利益を出しにくくしてまで環境を優先した製品づくりを行うことは、いくらあたまでは「その方が良い」」と分かっていても中々できることではありません。

そうした日本企業の心意気を一般の方々も受け止めてあげて、国内企業を応援してあげることも大事なのではないかなと思います。


善い行いには、正当な評価と応援をしてあげるのが当たり前の世の中になって欲しいものです。



善い行いはなかなか取り上げてもらえません だからこそ・・・・・

このリンの話は、海外企業への配慮もあってメディアが取り上げることはまず有りません。

だから一般の方々が知ることも殆どないわけですが、正しい活動程評価されにくいというのは、他人事であっても何か悔しいものです。

本当はこうした善い行いこそ、もっと取り上げて欲しいことだと思います。

しかし結局のところメディアはそういうことは出来ないので、代わりにこうして個人ブログで紹介させていただきました。

共感していただいて、同じように拡散していただける方がおられることを期待します。