腸内環境が悪化してしまうと、ありとあらゆる病気に罹りやすくなってしまいます

「心臓に穴が開く」
という難病があることを知っておられる方は多いと思います。
ですがその原因が「重度の便秘によるものである可能性が高い」ということを知っている人は少ないのではないでしょうか。
腸には「門脈」と言って肝臓に直結されている太い血管があり、基本的には栄養素も老廃物も毒性物質も何もかもがその門脈を通じてすべて肝臓に吸収され、代謝(栄養の作り変え)されたり解毒処理が行われることによって体が健全な状態が保たれるようになっています。
ところが直腸付近だけは下大静脈と言って肝臓を経由することなく、体の中央部分を通って直接肺・心臓・脳に繋がっている太い血管があります。
そしてこちらの血管に吸収される老廃物や毒性物質は肝臓での解毒処理が行われることのないままそれら重要な臓器に運ばれてしまうため、もし大量の老廃物や毒素が日々下大静脈から吸収され続けているようなことが起こっているとしたら、肺・心臓・脳のいずれかに、何かしらの深刻なダメージがもたらされている可能性が高くなってしまいます。
「便秘が酷いと心臓に穴が開いてしまう」のもこのような体の構造が影響していると考えられるからで、こうした説明を聞いていただければ「一見何の関係もなさそうな腸内環境と心臓がじつは密接に繋がっていた」ということもある程度は受け入れることが出来るのではないでしょうか。
また他にも「肺がんになる人は便秘の人が多い」とか「乳がんも腸内環境が影響しているのでは?」と言われることが多いですし、「認知症・情緒不安定・きれやすい・集中力欠如といった脳機能に関わる問題も、便秘が影響している可能性が高い」ことが指摘されていますから、これらのことからも如何に腸内環境が多岐にわたる病気や不具合に影響しているか見えてくると思います。
それだけに近年言われ続けている「腸が大事だ」という話には本当に聞くべき点が多く、健康に役立つ情報がたくさん詰まっていると思います。
腸内環境が整うだけですべての病気や不具合が治るわけではありませんが、改善の後押しになることは間違いありませんから、腸のことはよく知っておいて、日々のケアに勤められてみると良いと思います。