相手の心に届く伝え方

伝えているつもりなのになかなか相手に伝わらない。

そんな悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。

実は先日そのことについて「なるほどなあ」と大変納得させられたある方の話がありましたので、今回はその中の一部分だけご紹介してみようと思います。

どのようにすれば相手に届く伝え方ができるのか参考にしてみてください。

早速ですがまず理解しておくべきは「伝える」と「伝わる」はまったく別のものということ。

「伝える」というのは単に言葉を発することであり、「伝わる」というのは相手の心に届くことなのだそうです。

そしてその“届き方”にはいくつかの原理原則があるらしく、特に大事なのが「音」の使い方なのだと言います。

というのも人は言葉の意味だけを受け取っているわけではなく、声の響き方や抑揚、空気感のようなものまで無意識に感じ取っているからで、たとえば私たちが普段使っている日本語にはおよそ70〜80種類ほどの“音”があるそうなのですが、その音をどう発し、どんな“リズム”や“抑揚”で空気に乗せるかによって相手への伝わり方が大きく変わるということでした。

言い換えれば言葉をどんなメロディーに乗せて伝えるかによって相手の受け取り方は大きく変わるということですね。

そしてそのことを最も分かりやすく表しているのが「歌」です。

歌は言葉(音)とメロディー(音階)が合わさることで多くの人の心を動かします。

なかでも一時期国民的大ヒットを連発していたバンド シャ乱Q の つんく♂ 氏は、世の中で売れている曲の音階やコード進行を徹底的に分析していて、

「こういう音の流れだと人の心に入りやすいんだな」

というパターンを見つけ出し、それを自身の楽曲にも取り入れていったのだとか。

さらに同じ言葉でも「どんな表現を選ぶのか」「どんな音の流れに乗せるのか」――そこまで考えて作り込んでいった結果、多くの人の心を動かす曲につながっていったということでした。

言葉とメロディーの関係、すごく面白い話ですね。

ただ残念ながらこういった“音”や“リズム”の世界はとても奥が深く、いわゆる「技術の世界」になるため、詳細を学ぶだけでも大変ですし、すべてを知った・教えてもらったからといってそれを使いこなせるレベルにまでたどり着くことは非常に難しいそうです。

ですから「これなら意識するだけで今すぐ誰でも出来るようになる」ともう一つご紹介されていたのが「意のつく言葉を大事にする」ことでした。

「意」という漢字には「心の中心」という意味合いがあるそうで、この“意”を意識してコミュニケーションを取っていくと自然と想いが伝わりやすくなるのだとか。

例えば──

・意識 ・意図 ・真意 ・熱意 ・決意 ・誠意

こういった言葉です。

そしてその中でも特に大事なのが「誠意」。

「話を聞いてくださる相手に感謝すること」

「相手に何か一つでも持ち帰っていただきたいと思うこと」

そういう気持ちが何より大切なんだそうです。

確かに言われてみればどれだけ上手な言葉を使っていても、気持ちが入っていない言葉というのはどこか響かないことがありますし、逆に多少言葉が不器用でも「ちゃんと伝えたい」という想いがある人の言葉には不思議と心を動かされることがあるように思います。

そう考えると伝え方というのは単なる話術や技術の問題ではなく、その言葉にどんな“誠意”が乗っているのか。

そこが一番大事であるように思えてきます。

「どれだけ言葉の技術を磨いたとしても、その土台に“誠意”がなければ本当の意味で相手の心には届かない」

というのがこの話の一番大切な部分だったのかもしれませんね。

人はついつい

「どう言えばうまく伝わるか」

「どう言えば相手を納得させられるか」

という“テクニック”のほうにばかり意識が向きがちで、言い換えればそれは「うまく話そうとしている」ということなのかもしれません。

ですが意識を向けるべきは「相手への誠意を忘れないこと」であり、その大切さに改めて気づかせていただけたお話だったように思います。