体調を整える上で必ず挙がる重要事項のうちの一つに
リンパの流れを良くする
というものがあると思うのですが、ではリンパとはどういうもので、リンパの流れが良くなれば何にどう良いのかということについて理解できている人というのは少ないように思います。ですから今回はそのリンパについて少し書いてみようと思います。
けっこう大事な話だと思うので良ければ目を通してみてください。
■リンパとは何か?
ものすごく簡単に言えば、リンパとは下水道のようなもの。
ようするに排泄経路の一部ですね。
血管から漏れ出た組織液が通る管であったりその組織液の総称になるものと理解すれば良いと思います。
■リンパが滞ると様々な不具合が表れ始めます
前述のようにリンパとは下水管のようなものですから、そこが滞り始めると老廃物や疲労物質が体の中で蓄積されるようになり、結果として病気に対する免疫力が低下しはじめ、感染症に罹りやすくなったりしますし、また疲労が回復しなくなったり、冷え・肌トラブル・むくみなどさまざまな不調を引き起こすようになります。
ですからリンパの滞りを改善することは健康の維持増進や病気・不具合の改善において特に重要度の高い必須項目になるということであり、逆に言えばリンパの流を良くしない限り、おそらくどれだけ良い対策を行っても効果は発揮されにくくなると考えられます。
■リンパの流れを良くするためにはどのような方法が良い?
私は医者ではありませんし整体などの専門家ではありませんので詳しいことは分かりませんが、ただ非常に重要なことが一つあります。
それは
全身をめぐっているリンパが鎖骨付近の静脈に合流し、最終的には血液の流れに戻って体外へ老廃物を排出される
ということ。
つまりリンパは体の中にたまった不要な水分や老廃物・疲労物質などを出口である鎖骨あたりまで運んでくれているシステムになるということなので、とくに鎖骨周りで滞りを発生させないようにすることが、リンパの流れを良くする上で特に求められることになります。
ですから鎖骨周りにコリなどが発生しないよう、肩や首を回して周辺の筋肉をほぐすようにするといった単純な運動が意外と効果的なように思います。
■しっかり歩くことも非常に重要です
リンパの流れを良くするうえでもう一つ重要なのが「歩くこと」です。なぜならふくらはぎや太ももの筋肉には、下半身に停滞しやすい血液やリンパ液を上半身へ押し戻すポンプのような役割があるからです。そのためしっかり歩いたり軽いジョギングをしてこれらの筋肉を使うことで、重力に逆らって巡りを助けることが重要になるということです。
ですがデスクワークや車移動が多い生活ではこの筋肉のポンプがほとんど使われず、リンパの流れは滞りがちになります。だからこそ特別な運動をしなくても「意識して歩くこと」だけでむくみや疲れ冷えの改善が期待できるというわけですね。
東洋医学では歩くことを習慣にしている人は「源田(体のエネルギーや回復力の土台)」がしっかりしている状態だとも言われているそうです。この土台が整うことで、血液やリンパの巡りも自然とスムーズになります。
ウォーキングを習慣にしている人には元気な人が多いように思うのですが、それもきっと歩くことで体の巡りと回復力が無理なく保たれているからではないかなと個人的には考えています。
■リンパの流れを良くしてはいけない場合があることも理解しておきましょう
ここまで読むとリンパはとにかく流せば流すほど良いように感じるかもしれません。ですが実はそうではない場合もあります。その代表例がリンパにがんが出来た場合です。
というもリンパは老廃物を運ぶ排泄経路であると同時に体の中を巡る通り道でもあるため、リンパにがんが存在している状態で流れを強く促してしまうと、がんがリンパの流れに乗って別の場所へ移動してしまう可能性があると考えられているからです。そのためがんの種類や状態によってはがんが広がらないよう、自律神経系が強制的にリンパの流れを悪くすることもあるようですね。
ですから必ずしもリンパの流れを良くすれば良いというわけでもなく、こういう例外もあるということを知っておくことが重要。
「何事においても世の中に絶対はない」とよく言われますが、リンパの流れについても状況に応じて正しい見極めを行うことが必要だということですね。