「洗剤の適正価格」を考えてみませんか? 「どのような販売コストがかかっているか?」から見ていくとなかなか面白いですよ

これはぜひ多くの方に考えてみていただきたいことだから書くことにしてみたのですが、スーパーやドラッグストアなどでよく見られる洗剤って本当に適正価格で販売されているのでしょうか。

洗濯洗剤だろうが台所洗剤だろうが住居用洗剤だろうが、概ね200円~500円程度が相場ではないかと思いますが、表題に書いたように

販売に至るまでにはどのようなコストがかかり、その結果製品の製造にどのくらいのコストがかけられているのか?

などについて考察していくと、かなり疑問を感じる部分が見えてくると思います。



しかし洗剤は健康面や環境面に大きな影響を与えるものですからこうした考察を行ってみることはとても大事なことだと思います。


そこで今回は販売に至るまでの様々なコストについて代表的な6項目を簡単に紹介しますので、ぜひそれを確認いただいて、ご自身なりの見解を出してみてください。

色んな気付きが得られると思いますので。



洗剤の販売に至るまでの代表的なコスト6選

①設備の購入費

洗剤を作るためには工場が必要ですし、とうぜん機械も必要ですね。

それらの建設や購入費は当然洗剤の販売代から当てがわれますから、その分の金額が洗剤の販売代に含まれていることになります。

また、仮にこれらの初期投資分が支払い済みの場合であっても、いつかまた工場を建て替えたり機械の買い替えが必要になるので、結局のところいくらかその分のコストが販売価格に加算されていると考えられます。


②設備維持費

意外と忘れがちですが、機械を動かすには電気を使いますし、定期的にメンテナンスも必要になります。

また、工場の維持にも定期的なメンテナンスが必要になります。

その上世の中広告費を除けば、ありとあらゆる物価は基本的に上がり続けるという傾向にありますから、こうした維持費も、基本的に上がり続ける傾向にあると考えられます(電気代は政府の介入で上がり過ぎないようにはなってるいますが、それでも徐々に上がってますよね)

設備を維持するだけでもそれなりのコストがかかることが予想されます。


③CM代

洗剤に限らず、商品を買っていただくために一番必要なのが「知名度」です。

どんなに高品質な物であっても、企業や商品の知名度が低いと多くの方は買ってくれません。

これは人間の習性のようなものですから、特に販売数を稼がなければいけない大きな企業ほどCMは大々的に行わざるを得ないという問題を抱えています。

そこで大手企業が競って使うツールがテレビCMと雑誌での宣伝になります。

こういう広告費がどれほど高額なものか、業界に詳しくない人でも何となく想像は付くと思いますが、ほんとにばかに出来ない金額になっていることは間違いなく、それも商品代に含めなければいけないわけですから、販売価格の中の結構な割合がこのCM代に含まれていると考えて良いのではないでしょうか。



④人件費

製造メーカーにお勤めの方々の人件費は当然考慮されているはずですね。

何人くらいの方が働かれているのかは僕も調べてはいませんが、仮に一人当たりの平均的な給料を30万円とし、洗剤の卸値が仮に300円とすると、少なくとも一人の社員さんの給料を支払うために1000個の洗剤を売らないといけないということになります。

こういう計算をしてみると、社員さんの人数がどれくらいおられるかが分らなくても、人件費が如何に販売コストを圧迫しているか想像がつきますね。

相当な割合が人件費に割かれていることは想像に難くありません。


⑤販売店の利益

店頭販売されている洗剤には、製造メーカーの利益だけでなく、それを販売してくれているスーパーやドラッグストアさんの分の利益も当然いくらかのせられていますね。

販売価格のうちどのくらいの割合が販売店の利益になるのかはお店によってもかなり違いがあると思うので、正確なところは第三者の人間ではわかりませんが、それでも2割とかはあるのでしょうか。

いずれにしても販売店への利益に一定程度のコストがかかっていることは間違いありませんね。



⑥運賃と保管費用

こちらは大した金額にはなっていないかもしれませんが、でもしっかり含まれているコストです。

そして豆知識的な話にはなりますが、じつは「洗剤の運賃や保管費って割高傾向」にあります。

何故かというと、洗剤は重たいうえに段積みにして運搬したリ保管できないからです。

箱や容器が潰れてしまいますから段積みはできないんですね。

その分運搬効率が下がりますし保管面積も余分に必要なんです。

地味なことですが微妙にコストがかかっているのが運賃と保管費用です。







さて如何だったでしょうか。

他にも容器代とかトラブル対応費などいろいろコストがあると思いますが、ここでぜひ考えていただきたいのが

「店頭販売価格からこれらの経費を全部引いたものが、原材料の原価になるんですよ」

ということです。



店頭販売価格からこれだけ多くのコストを引いたら、いったいどのくらいの金額が残るでしょうね?

・200円?

・100円?

・50円?

・10円?

・それともまさか3円くらい?

でしょうか?



そういうことってちょっと考えてみると良いですよね。

「ええっ!!!」

「マジか!?」

と思えるような結論に至るかもしれませんから。




その上で、

「その原材料原価で品質や安全性がどのくらい確保できるのか?」

なども考察いただけると、きっと洗剤に対する価値観や適正と思える価格が今までとは少し変わってくると思います。

冒頭にも書きましたが、洗剤は健康面や環境面に与える影響が大きいですからね。

価値観を見つめ直す機会を持つことはほんとに大事なんです。

だからこんな情報の書き込みと、問いかけをさせてもらいました。




また僕自身が販売している洗剤は定価が2200円~3500円の為、大抵の場合は「めちゃくちゃ高い」と思われがちですが、それもこうした考察を交えたうえで改めて見直していただくと、まったく違った捉え方をしていただけるようになると思うので、この点も少し考えてみていただけたら幸いです。



単純に高いか安いかということではなく、その価格設定になっている理由にはどのような背景があるのか?



その部分を深堀して考察いただけると、今まで見えていたものとは全く違うものが見えてくるので面白いと思いますよ。