
より重篤で慢性的な病気や不具合を抱えている人ほど、すぐ効く・すぐ治る方法を無意識に求めがちです。
はっきりとした実感・体感が出ない方法など、いくら取り組んでも治るイメージが湧くはずもありませんから当然のことですが、ただ私自身は10年ほど前から「すぐ効く・すぐ治る方法を探そうとしない方が良い」と強く警鐘を鳴らし始めています。
なぜなら病気や不具合が慢性化するという事は「自らが持つ治癒力が低下している」あるいは「機能していない」状態が長く続いたからこそ表れる現象です。
治癒力が適正に機能していれば病気や不具合が慢性化するはずがないわけですからね。
ですから慢性的な病気・不具合を治すためにはその治癒機能を回復させることが必須条件となるはずです。
ところがその機能を回復させるためには唯一「健全で正しい生活習慣を積み重ねる」という方法以外にはなく、つまり早寝早起き・適度な運動・自然な食べ物を食べ・化学物質の入っていない安全な日用品を使用し・バランスの良い栄養摂取を心がけるといった極々当たり前の事を日々徹底するしかありません。
そしてそれらの健全な生活を送り続ける事が出来たとしても慢性的な病気や不具合を治せるレベルまで自然治癒力が回復するには8年~10年はかかるのが一般的ですし、それほどの時間をかけて徐々に機能が回復していくという事は、「一気に良くならない」という事でもあり、「そもそも効果を感じること自体が難しい」という事でもあります。
つまりはっきり言ってしまえば、慢性疾患の根本治癒を可能にする方法の中に、すぐ効くすぐ治るものなど初めから存在していないという事です。
だから治すことを決して焦ってはいけないし、すぐ効く・すぐ治るものを探してもいけないと考えるようになりました。
ですがその考えは結果的に正しかったと思います。
周囲の人を見渡してみた時に、疾患の種類や重篤度に関わらず、慢性的な問題を解決している人はみな少しでも正しい努力を行い、少しでも健全な日常を送ることにのみ意識を向けられています。
病院での検査数値とか、実感・体感についてはある程度参考にされることはあってもそれらに振り回されることなく、自らが課したやるべきことを日々淡々とこなされているのみです。
効く・効かないという事にはそれほど意識を向けられたりしていません。
(すぐ効いてすぐ治るなどという都合の良い方法など無いという事をきちんと受け入れている表れだと思います)
だけどそれで5年後10年後に確かな成果を出し始められます。
本物の努力・本物の治療法とはそうした日々の積み重ねの事ではないでしょうか。
そこに気付かずして病気・不具合を治したり安定的な健康を手に入れることなど、私は難しいと思います。