腸内環境の重要性がここ20年ほどの間で強く叫ばれるようになりました。
それは腸と脳が2000本の神経で繋がっていて、腸が脳に直接様々な影響を与えているということが分ってきたことに加え、腸内の善玉菌が
・栄養素の吸収補助
・神経伝達物質の産生(自然治癒力)
・ホルモンの産生(自然治癒)
・免疫の大部分を担っている(自然治癒)
等の働きがあることが分かってきたからです。
つまり腸内環境が悪化し悪玉菌優位の腸内環境になってしまうと、ほぼ確実に栄養失調を引き起こすようになり、自然治癒力も機能しなくなってしまうということです。ですから「全ての病気は腸から始まる」と言われるようになり、腸に大きな注目が集められるようになっているのですが、実は本当の識者の間で腸以上に重要な臓器として古くから重要視されている臓器があります。
それが肝臓です。
というのも肝臓には、解毒と代謝(栄養素の作り替え)という健康や生命に直結し、自然治癒力を根本から支える機能があるからです。
この2つの機能がなければ体中毒で溢れかえってそまいますし、修復材料を作ることも出来なくなることを想像すればいかに肝臓の役割が重要なものであるか少し見えてくるのではないでしょうか。
またもう一つ。
肝臓の機能で重要なものがあるのですが、それが胆汁の生成です。
胆汁とは言わば油(脂)を分解する天然の洗浄剤のような液体のことで、この胆汁が必要量作られていないと油溶性毒素の分解が出来なくなりますし、腸内に油汚れが蓄積するようになってしまいます。
そして胆汁には腸の蠕動運動を促す役割もあるため、胆汁分泌量か少ないと便の排泄が滞るようになり、それがやがて慢性的な便秘へと繋がってしまうので、じつは便秘や腸内環境二最も大きな影響を与えているのが肝機能だということなんです。
肝臓が腸よりもはるかに重要な臓器として認識されているのもこのような理由からになります。
ですから前述の「全ての病気は腸から始まる」というのも決して間違いではないのですが、体の仕組みから考察していくと、じつは「全ての病気は肝臓から始まる」という捉え方が正しい認識になります。
「肝心要」「話の肝」「肝に銘じる」等々。
物事の重要性を表す言葉には肝という漢字が入りますが、それも「体の中で最も重要な臓器が肝臓であるからこその使われ方」だと理解すれば、より肝臓の重要性が見えてくるのではないでしょうか。
健康の維持増進や病気・不具合の改善を図る上において、肝臓ほど重要な臓器は他にありません。