ネットブログの方でも少し書きましたが、7月の初めごろに田植えの手植え体験をしてきました。最近は運動不足がひどくて、しかもお日様にもほとんど当たっていなかったので、「たまには体を動かそう」と思い立ち、参加させてもらいました。
田んぼの持ち主の方は以前は教職員をされていたそうですが、今は大阪との二拠点生活をしながら、自然農法の指導などをされているとのことでした。ですから今回体験させてもらった田植えも、もちろん機械を使わずすべて手で植える方法でしたが……これがもう本当に大変!
7〜8年ほど前にも一度手植えを体験したことがあるのですが、改めてやってみると全然進まないし腰は痛くなるしで、あらためてその大変さを実感しました。
幸いこの日は曇り空だったので直射日光を浴びることはなかったのですが、もしカンカン照りの日だったら、暑さと紫外線で疲れ果ててたでしょうし、肌も相当焼けて痛かっただろうなと思います。
なので「田植えって機械を使えばずいぶん楽になると思いますけど、人の手だけでやるとなると本当に大変ですね」「昔の人もよくこれだけ大変な作業を毎年やっていましたね」とお話ししたところ、
「昔はね、田んぼってお祭りみたいなものだったと思うんですよ」と教えてくださいました。
「田植えって家族はもちろん、近所の人や少し離れた親戚もみんな集まって、何十人という単位で一斉にやってたんです。そしてその時にみんなで歌なんか歌ったりしてね。そうすると気もまぎれるし楽しいし、いつの間にか時間が過ぎるんです。そしてお昼が来たらみんなでワイワイ言いながらご飯を食べる。そうやって田植えを“しんどい作業”じゃなく“楽しいもの”にしていたんですね」
「またそれが地域の人たちとの交流にもなって、まとまりや団結が生まれる。だからそういう文化って大事だと思っていて、何とかそれを残したくて、こんな活動をしているんですよ」
と話してくださいました。
また機械を使わない理由についても、
「機械ってすごく重いから、その重さで土が踏み固められて硬くなっちゃうんです。でもうちの田んぼってすごく土が柔らかくて足がずぶっと沈むでしょう?お米が喜ぶ土って、ああいう柔らかい土だと思うんですよね」
ともおっしゃっていました。
そんなお話を聞きながら、改めて昔の人たちの知恵や暮らしのあり方に感心させられました。
確かに、効率やスピードだけを求める現代とは違って、そこには人と人とのつながりや、自然との調和を大切にするあたたかさがあったのだと思います。私自身も今回の体験で、田植えの大変さと同時にこうした文化を大切に残そうと活動されている方の想いに触れることが出来て、心があたたかくなったような気がします。
また機会があれば、今度は稲刈りも体験してみたいですね。